スペイン・レリダ大学と共同シンポジウム
◆テーマ:東洋と西洋の精神性の対話――調和ある社会の建設のために
◆主催:レリダ大学、ユネスコ・レリダ協会、東洋哲学研究所、スペインSGI
◆会場:レリダ大学(スペイン・カタルーニャ自治州レリダ)
◆開催日:2009年4月29日
(写真は「法華経―平和と共生のメッセージ」展の「オープニングレクチャー」)
シンポジウムは、レリダ市での「法華経――平和と共生のメッセージ」展を記念するもの。(共催:東洋哲学研究所、レリダ大学、ユネスコ・レリダ協会、ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所。後援:スペインSGI。4月28日~5月16日) 。レリダ大学は13世紀に創立の淵源をもつ伝統の大学である。
席上、ビーニャス学長は「仏教思想は、人間の内面を見つめ、内面の深化を促すもので、人類的課題の克服に貢献する思想である」と述べ、「非暴力」と「平和の文化」を基調とした世界をつくるために協力していきたいと語った。
また、ユネスコ・レリダ協会のサンス会長は、グローバル化する世界において、人間の内面の価値を見出し、理解し、絆を結ぶ対話が重要になっているとし、「法華経展」は、異なる文化、文明、宗教の人々が対話を通して人間主義のネットワークを築く上で意義ある行事であると語った。ユネスコ・カタルーニャ協会「宗教間対話センター」のトラデフロート所長は、「法華経」には精神性探求の道と東西の共通性が示されており、現代世界に大きな意味があると述べた。
東洋哲学研究所の川田所長が「仏教に見る調和社会への道――『法華経』を基軸に」、栗原淑江主任研究員が「『法華経』における平等思想――SGIの視点」と題して、それぞれ発表した。
国立ラ・ラグーナ大学とも交流
東洋哲学研究所の川田所長は、シンポジウムの後、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島にある「国立ラ・ラグーナ大学」で、同大学と東洋哲学研究所共催の講演会に出席し、仏教の淵源や、現代における平和・文化・教育運動への展開について語った。
また、同大学宗教社会学のディアス・デ・ベラスコ教授、教育学部のモレノ教授は、法華経と日蓮仏法が他宗教との調和を可能にする普遍的価値をもつことに共感するなどと語った。