「東洋学術研究」 通巻185号(第59巻第2号)
2020年12月発行
1,362円(税込)
■新型コロナウイルスが猛威を奮う2020年。感染症の拡大に留まらず、社会や人間を分断する状況が生まれるなかで、創立者・池田大作先生が訴える、自他の生命の結びつきを捉え、他者とつながっていく流れをどのように構築していくのか。この命題に対して、研究所では10月16日、東京大学の市川裕名誉教授を招聘し、オンライン特別てい談「コロナ禍の時代をいかに生きるか――歴史に学ぶ人間への知見――」を行った。特集では、最終回となる「シルクロード――仏教東漸の道(3)」を掲載する。
※掲載時の役職は当時のものです。なお、これまでに発刊された「東洋学術研究」から、主な論文については、ホームページ内の「論文検索」から閲覧することができます。
※ご購入のしかたについては、「ご購入の方法」をご覧下さい。
内容
■特別企画「コロナと人間を語る」
提言:ポスト・コロナ――“人間の次元”からの新しい変革
… フェリックス・ウンガー(ヨーロッパ科学芸術アカデミー会長)
特別てい談:コロナ禍の時代をいかに生きるか――歴史に学ぶ人間への知見――
… 市川裕(東京大学名誉教授)/石神豊(東洋哲学研究所主任研究員)/山岸伸夫(東洋哲学研究所委嘱研究員)
■特集「シルクロード――仏教東漸の道(3)」
法華経の旅――コータンから敦煌へ
「すべてを見通す」菩薩とコータン――張小剛論文に対するコメント
… ロケッシュ・チャンドラ(インド文化国際アカデミー理事長)
“涼州諸国王”と蜀地方
… 関尾史郎(新潟大学人文社会科学系フェロー)
ワフシュ神とラームセート神――バクトリア語文書から見たトハーリスターンにおける宗教事情の一側面――
… 宮本亮一(京都大学人文科学研究所非常勤研究員)
ユーラシア東部への瑠璃器の移入と仏教
… 朴天秀(慶北大学教授、同大学シルクロード調査研究センター長)
バーミヤーン出土仏教写本の二十年
… 松田和信(佛教大学教授)
正倉院宝物の故郷――『東大寺献物帳』の分析から その一
… 米田雄介(元正倉院事務所長、公益財団法人古代学協会理事)
キルギスタン・チュー川流域における中世仏教の考古遺産(後編)
… ヴァレリー・A・コルチェンコ(キルギス共和国国立科学アカデミー歴史・考古・民族学研究所研究員)
仏教東漸の道――捨身飼虎と求法僧――
… 大村次郷(写真家)
■寄稿
十五世紀前半のナクシュバンディー教団の導師達とサマルカンドのミールザー・ウルグベク・マドラサの活動との関係
… ムハンマディホン・J・ブズルコフ(サマルカンド国立大学写本ファンド研究員)
〈研究覚え書き〉
言語学から人間学へ
… 山岡政紀(東洋哲学研究所委嘱研究員)
過剰医療と生命の尊厳
… 薮田礼子(東洋哲学研究所委嘱研究員)