「東洋学術研究」 通巻176号(第55巻第1号)
2016年(平成28年)5月発行
1,238円(税込1,337円)
東洋哲学研究所では、「地球文明の創出」を目指して、宗教間・文明間対話を推進してきました。今号では、こうした事業の一環として2015年から2016年に開催したシンポジウム・講演会、レクチャー、寄稿を掲載。
■特集1は、第31回学術大会(2016年3月19、20日)より、米ジョージタウン大学のファターリ・モガダム博士を招聘して行われたシンポジウムを収録した[地球文明の創出――多文化主義を超えて]。グローバル化、テロリズムの心理に焦点を当てた文化とグループ間の対立等の研究を進める博士が論じた「普遍的文化主義と私たち人類の道」をはじめ、東洋哲学研究所研究員による論考を紹介。
■特集2は、2014年度より始まった連続公開講演会「地球文明への道」に続く[地球文明への道Ⅱ]。「全ての人に尊重される普遍的価値を広げ、『地球文明への道』を開きゆく」との開催趣旨に基づいて発表された稲垣良典氏(九州大学名誉教授)、山脇直司氏(東京大学名誉教授)、伊東俊太郎氏(国際比較文明学会終身名誉会長)、石神豊氏(東洋哲学研究所主任研究員)の論考を収録。
■また、サルバドル大学東洋学学院(アルゼンチン)のカルロス・マヌエル・ルア院長による特別公開講演会や、各講演・寄稿等を紹介。
※ご購入のしかたについては、「ご購入の方法」をご覧下さい。
内容
■特集1「地球文明の創出――多文化主義を超えて」(第31回学術大会より)
普遍的文化主義と私たち人類の道
… ファターリ・モガダム(米ジョージタウン大学教授)
文化と理念――要請としての生命尊厳
… 石神 豊(東洋哲学研究所主任研究員、創価大学教授)
ヨーロッパにおける移民・難民問題と多文化主義
… 蔦木文湖(東洋哲学研究所委嘱研究員)
■特集2「地球文明への道Ⅱ」(連続公開講演会より)
知恵と自己――仏教とキリスト教との対話
… 稲垣良典(九州大学名誉教授)
地球的危機における公共哲学の役割
… 山脇直司(東京大学名誉教授、星槎大学副学長・学部長)
文明の転換期――人類の過去と未来
… 伊東俊太郎(国際比較文明学会終身名誉会長、東京大学名誉教授)
21世紀を築く力――ソクラテス、カントの英知に学ぶ
… 石神 豊(東洋哲学研究所主任研究員、創価大学教授)
■各講演・レクチャーより
現代における平和・連帯・希望の哲学――池田SGI会長の『法華経の智慧』に関する対話
… カルロス・マヌエル・ルア(アルゼンチン サルバドル大学東洋学学院院長)
キリスト教の女性観――その虚像と実像
… 岡野治子(清泉女子大学元学長)
朱子学の理気論・心性論
… 小島 毅(東京大学教授)
「ファナー」の観点からスーフィズムを見直す
… 東長 靖 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)
■寄稿
日本とヨーロッパにおける宗教改革:日蓮とルター
… ウルリッヒ・デーン(ドイツ ハンブルク大学教授)
〈研究覚え書き〉
「いま」に囚われない … 杉本一郎(東洋哲学研究所委嘱研究員)
科学は倫理学に何を与えられるか … 蝶名林亮(東洋哲学研究所研究員)