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第3回連続公開講演会「イスラームと仏教の対話」

【全4回】連続公開講演会「イスラームと仏教の対話」開催趣旨はこちら

 

講 師:鎌田 繁氏(東京大学名誉教授)

テーマ:ムスリムと仏教徒の対話の道を探る

要 旨要旨はこちら

略 歴略歴はこちら

◆開催日:2025年12月6日

◆方 式:YouTubeライブ配信(オンライン)

講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定

 

講演では、イスラームと仏教という異なる宗教を持つ人間同士の対話の可能性を探究した。対話とは相手を論破することではなく、相手への尊敬を基礎として自らの世界観に拡がりをもたらすものであり、自分が変わることを含むと指摘。仏教は人間中心的な解脱を目指すのに対し、イスラームは神の言葉に従い終末の裁きを信じるという根本的相違がある。歴史的には12世紀イスラーム文献が仏教を詳述し、11世紀仏教密教聖典がムスリムを記述するなど、互いに認識していた。イスラームでは庇護民制度による共存の歴史があり、クルアーンが宗教の多元性を認めている。結論として、異なる考えの者の存在を認め共存する自覚が対話の出発点となり、教義の議論には限界があるが、宗教伝統を体現する人々が日々の生活を共にすることで無言の対話が可能であり、その極致は互いの微笑みによって共生の意思を示すことだと強調した。

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