2024. 10. 03
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第2回連続公開講演会「地球的危機の『挑戦』と宗教・文明の『応戦』――パンデミックを契機として」
◆テーマ:人類の文明と文化再考
◆開催日:2022年11月12日
◆方式:YouTubeライブ配信(オンライン)
連続公開講演会「地球的危機の『挑戦』と宗教・文明の『応戦』――パンデミックを契機として」開催趣旨
講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定
鈴木董氏は、東京大学法学部を卒業の後、同大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。トルコ・イスタンブール大学への留学等を経て、法学博士号を取得。東京大学東洋文化研究所助教授、同研究所教授を歴任してきた。研究領域は、オスマン帝国史、比較史・比較思想に及んでいる。
講演では、歴史学者シュペングラーが、文化が生物体のように生まれて成長して死滅していることを述べて、西欧がその一つに過ぎないという世界史観における『コペルニクス的転換』を宣言したことに言及。これを画期的視点としつつ、それ自体は思弁的で実証性に乏しいものであるとし、そうしたなかで、アーノルド・トインビーが文明という概念を示し『歴史の研究』という比較文明論・比較文明史の先駆的大著を生み出したことに言及した。
現代世界では、世界人口の90%が有文字文化で圧倒的に優勢であり、文字を持つか持たないかで、情報の蓄積と伝達において大きな差が生じる。大きな文明の変遷を見たい時には、文字から見ていくことを述べた。そして、人類文明の未来への危惧と異文化間の対立・分断が問題とされている今、『文明』『文化』は何かという原点に立ち返り、その歴史と結びつきから考える必要がある。そこに遡ってみるならば、人類はまだまだ未熟だが成長の可能性があり、こうした繋がりをより深く探究することで、未来への道筋が見えてくると論究した。