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連続公開講演会第2回「経済倫理と宗教」(小田淑子・宗教倫理学会元会長)

◆講師:小田 淑子氏(宗教倫理学会元会長、関西大学元教授)
◆開催日:2018年11月1日
◆会場:梅田スカイビル(大阪市・北区)


講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定




 小田氏は、大阪外国語大学ペルシア語学科を卒業後、京都大学大学院で宗教学を専攻。その後、アメリカ・シカゴ大学大学院で宗教史・比較宗教学をはじめ、クルアーン、イスラーム法などのイスラームの宗教性を研究してきた。氏の講演は、2006年の連続公開講演会「イスラーム世界との対話」での「イスラームの女性観――その理想と現実」に次いで2回目となる。

 講演では、古来より宗教と経済が密接な関係にあることに触れ、「宗教は寄付によって成立しています。そのお金によって、教育や施設の建設などができるのです。世界遺産の半分は宗教建築ですが、人類文化にとって宗教は欠かすことができないと言えると思います」と述べた。
 

 そして、日本の宗教文化と異なり、イスラーム世界では六信五行に見られるように、信じる対象と行いが明確であると語り、「イスラームは在家の宗教であって、出家する必要がありません。社会の中で生きるための宗教であり、信仰者としての生き方なのです。その共同体は信仰の基としたもので、社会から離れない生活共同体です。精神と身体を分かつことができないように、イスラーム共同体の中では、宗教も政治も経済も線を引く事ができないのです」と論じた。こうしたイスラームの現状を認識したうえで、イスラームに限らず、宗教の価値観や伝統、生活様式を相互に理解し合っていく必要性を訴えた。

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