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連続公開講演会「地球文明への道」

◆講師:山脇 直司氏(東京大学名誉教授、星槎大学共生科学部学部長)
◆開催日:2015年9月17日
◆会場:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(東京・新宿区)


講演内容は「東洋学術研究」に掲載

 

 山脇氏は一橋大学を卒業後、ドイツ・ミュンヘン大学にて哲学博士号を取得。これまで東海大学、上智大学、東京大学などで教鞭を執った。公共哲学と社会思想史を専門とし、特に公共哲学は近年注目を集めてきた分野であり、同分野の第一人者として著名である。
 
 講演会では「私が主張する『公共哲学』とは、より良き、公正な社会を追求しつつ、現下で起こっている公共的諸問題を市民と共に論考するという実践的学問のことです」と述べ、哲学と言っても空理空論ではなく、政治や経済、教育、宗教など至る所で公共的な問題が考えられなければならないとし、その上で具体的な施策や理念が必要であると語った。
 
 「宗教の公共哲学」に関しては、「信仰は公共的な世界のなかの営為として考えられなければなりません。すなわち、身内と他者を結びつけるのが、宗教という公共哲学です。そして何よりも、他宗教の差異を認め、不平等の社会に公共善とより良き価値を創出するものでなければなりません」と述べつつ、「信仰者とは、自身の考えに固執する原理主義者であったり、相対主義者であってはいけません。異質な人との対話を拒まず、ある意味で理解するゆとりを持つのがあるのが本物の宗教だと考えます」と語った。

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