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連続公開講演会「地球文明への道」

講師:伊東 俊太郎氏(国際比較文明学会終身名誉会長、東京大学名誉教授)
◆開催日:2015年9月29日
◆会場:TKP市ヶ谷カンファレンスセンター(東京・新宿区)

講演内容は「東洋学術研究」に掲載

 伊東氏は、東京大学卒業後、米国ウィスコンシン大学にてPh.Dを取得。これまでに東京大学、コペンハーゲン大学、チュービンゲン大学などで教鞭を執った。また、ケンブリッジ大学・クレアホール客員特別研究員、プリンストン高等研究所客員研究員、国際比較文明学会会長、日本比較文明学会会長、日本科学史学会会長、地球システム・倫理学会会長などを歴任している。

 講演会では、「現代の世界にあって、『地球文明』という枠組みは存在していませんでした。これまでは、欧州中心の世界観であり、イスラームやインド、中国が含まれておりませんでした。それは、ヘーゲルが言った“世界精神が眠っている”状態であり、誤った見方であったと思います」と述べ、現在のさまざまな問題を鑑み、人類全体の地球文明の歴史が再建されなければならないと語った。

 氏は、人類は今日に至るまで5つの文明の転換期を経て、現代は第6の大きな転換期である「環境革命」の時代に突入していると言及。「私は、それぞれの革命を『人類革命』『農業革命』『都市革命』『精神革命』『科学革命』、そして『環境革命』と名づけましたが、こうした人類史を見通した時に求められるのは、人類が向かうべき進路を考えることです。それには単なる知識だけでなく、人類の生存を確保する英知が必要です」と強調。「自然の支配を目指し、自然と対立する行き過ぎた姿勢から、自然と共生し、持続的に発展するという生き方に変わらなければなりません。成熟した文明を築く時なのです。私は、来るべき世代の方々に、平和で安全な世界を渡していかなければならないと強く思っています」と訴えた。

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