【シリーズ17】『ギルギット・ネパール系梵文法華経写本校訂本(C3校訂本)』

本書を刊行した2019年は、「法華経写本シリーズ」出版委員会が発足した1994年から25周年の佳節に当たる。その意義深き年に完成した本書は、ケンブリッジ大学所蔵の写本(C3 = Add. 1682)を底本にして、梵文法華経写本ギルギット系とネパール系の異読等を注記した校訂本として刊行したものである。

 

C3写本は、ネパール系貝葉写本で最古のもので、9世紀中頃に書写されたと推定される。法華経の序品第1から見宝塔品第11の前半部分までが残存しておりその後半部分は未発見ではあるが、ギルギット系写本群とネパール系貝葉写本群の中間に位置する貴重な資料として位置づけられるものである。

 

梵文法華経の校訂本としては、これまで「ケルン・南條本」(1908―1912年)、「荻原・土田本」(1934―1935年)、「ダット本」(1953年)などがあるが、今日の学問的水準からみると、より正確で信頼に足りる校訂本が望まれていた。

 

本書は、編著者である当研究所の小槻晴明委嘱研究員による研究成果であり、該当箇所に関する法華経校訂本として、十分に世に問う価値を有するものと考える。

『ギルギット・ネパール系梵文法華経写本校訂本(C3校訂本)』
創価学会「法華経写本シリーズ」17  ※シリーズ2が写真版、ローマ字版1、ローマ字版2に分かれているため、シリーズのナンバーでは17、出版の通巻では19点目となる。

『ギルギット・ネパール系梵文法華経写本校訂本(C3校訂本)』

発行者:創価学会、東洋哲学研究所

発行日:2019年(平成31年)2月27日

ISBN:978-4-88417-095-0

編著者:小槻晴明(東洋哲学研究所委嘱研究員)

写本系統:ギルギット・ネパール系写本

出版形態:サンスクリット語、日本語、英語

ページ数:XXVI(前付け) + 290(本文他)=316

非売品 


目次

 謝辞

 序

 略号一覧

 凡例

 C3校訂本

 I. 序品

 II. 方便品

 III. 譬喩品

 IV. 信解品

 V. 薬草喩品

 VI. 授記品

 VII. 化城喩品

 VIII. 五百弟子受記品

 IX. 授学無学人記品

 X. 法師品

 XI. 見宝塔品



 頻度表に基づく章別グラフ

 頻度表

 参考文献

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