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【シリーズ15】『ネパール国立公文書館所蔵梵文法華経写本(No.5ー144)―ローマ字版』

本書は「法華経写本シリーズ」のシリーズ通巻17点目の発刊となる。

1997年に同シリーズの第1点目である『旅順博物館所蔵梵文法華経断簡――写真版及びローマ字版』の刊行以来、第1期から第3期を経るなかで、研究活動は「ギルギット・ネパール系梵文法華経校訂本」の発刊を目指して進められてきた。「ネパール国立公文書館所蔵梵文法華経写本(No. 5-144)――ローマ字版」(略号N3)は、第3期の成果の第1冊目となるものである。

本書に収録した写本は、散逸している第1葉の法華讃偈で始まり、第26章「普賢菩薩勧発品」の冒頭辺りの第120葉までが現存。それより後の貝葉は散逸している。また、残存する120葉の貝葉のすべてが完全な状態ではなく、破損状態が激しいものも少なくない。

本書の最大の特色は、ローマ字化したN3のテキストに加えて、写本N3とギルギット系の4種の写本(7世紀頃)およびN3以外のネパール系の15種の貝葉写本(11~13世紀頃)を精査し、N3と諸写本のテキストとの関係を、多変量解析の手法で分析し、その一致度の分析結果を表とグラフにして、可視化したことである。

このような新たな手法を駆使することよって、それぞれの写本が、どのようなグループにまとまっているのかが一目瞭然となり、各グループの類似性が高いか低いかも容易に判断できるようになる。今回の発刊は、法華経の原典研究に新たな地平を開くものであり、学術的にも重要な意義を持つものであると言えよう。

 

『ネパール国立公文書館所蔵梵文法華経写本(No.5ー144)―ローマ字版』
創価学会「法華経写本シリーズ」15※シリーズ2が写真版、ローマ字版1、ローマ字版2に分かれているため、シリーズのナンバーでは15、出版の通巻では17点目となる。

発行者:創価学会、東洋哲学研究所

発行日:2017年(平成29年)3月28日

ISBN:978-4-88417-081-3

編著者:小槻晴明(東洋哲学研究所委嘱研究員)

写本系統:ネパール系貝葉写本

出版形態:サンスクリット語、日本語、英語

ページ数:XXVII + 290

非売品 


目次

 謝辞

 序

 略号一覧

 凡例

 ローマ字版

 I. 序品

 II. 方便品

 III. 譬喩品

 IV. 信解品

 V. 薬草喩品

 VI. 授記品

 VII. 化城喩品

 VIII. 五百弟子受記品

 IX. 授学無学人記品

 X. 法師品

 XI. 見宝塔品

 XII. 勧持品

 XIII. 安楽行品

 XIV. 従地涌出品

 XV. 如来寿量品

 XVI. 分別功徳品

 XVII. 随喜功徳品

 XVIII. 法師功徳品

 XIX. 常不軽菩薩品

 XX. 如来神力品

 XXI. 陀羅尼品

 XXII. 薬王菩薩本事品

 XXIII. 妙音菩薩品

 XXIV. 観世音菩薩普門品 (散逸)

 XXV. 妙荘厳王本事品

 XXVI. 普賢菩薩勧発品

 XXVII. (嘱累品)(散逸)

 頻度表に基づく章別グラフ

 頻度表

 N3内容対照表

 参考文献

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