【シリーズ10】『ケンブリッジ大学所蔵 梵文法華経写本(Add.1684)―ローマ字版』
この写本は、ネパール暦185年(西暦1064年か1065年)に書写されたものとされる。世界最初の梵文法華経の校訂本「ケルン・南條本」(1908~1912年)の底本の一つとして使用された。
編著者の小槻晴明氏(東洋哲学研究所委嘱研究員)は、これまで、この法華経写本シリーズの5. 「東大写本 No. 414」 (T8)、7. 「英国・アイルランド王立アジア協会写本 No. 6」 (R)、8. 「パリ・アジア協会写本」 No. 2 (P3) も担当してきた。
それについて、同氏は「謝辞」の中で、この作業の根底に一貫して流れていたのは、「ネパール系写本のグループ分け」が可能であることを実証しようという恩師・戸田宏文氏の根本思想であったと述べており、巻末の「Appendix (付録) 」 “A New Classification of the Nepalese Manuscripts of the Saddharmapuṇḍarīkasūtra (1) ”において、ネパール系諸写本の新たな視点からの分類への試みを提起している。
また、この写本と他の諸写本との関係については、「序」において詳説されている。
『ケンブリッジ大学図書館所蔵 梵文法華経写本―ローマ字版』
発行者:創価学会
編著者:小槻晴明(東洋哲学研究所委嘱研究員)
発行日:2010年(平成22年)3月31日
ISBN:978-4-88417-024-0
原典所蔵ならびに協力:ケンブリッジ大学図書館
写本系統:ネパール系貝葉写本
写本書写推定年代:1064年か1065年
出版形態:サンスクリット語、日本語、英語
ページ数:lx+281
非売品
略号一覧
凡例
ローマ字版
I .序品
II. 方便品
III. 譬喩品
IV. 信解品
V. 薬草喩品
VI. 授記品
VII. 化城喩品
VIII. 五百弟子受記品
IX. 授学無学人記品
X. 法師品
XI. 見宝塔品
XII. 勧持品
XIII. 安楽行品
XIV. 従地涌出品
XV. 如来寿量品
XVI. 分別功徳品
XVII. 随喜功徳品
XVIII. 法師功徳品
XIX. 常不軽菩薩品
XX. 如来神力品
XXI. 陀羅尼品
XXII. 薬王菩薩本事品
XXIII. 妙音菩薩品
XXIV. 観世音菩薩普門品
XXV. 妙荘厳王本事品
XXVI. 普賢菩薩勧発品
XXVII. (嘱累品)
付録
参考文献