「法華経――平和と共生のメッセージ」展(イギリス)


 イギリス展

 ●概要

 ●新聞報道から


概要

 「法華経――平和と共生のメッセージ」展が、イギリスのロンドンで開催され、仏典の歴史や法華経の概要などを紹介したパネルと多くの関連文物を通して、豊潤な “法華経の世界” を多角的に伝えた。また展示会を記念するシンポジウムも開催された。
 
 法華経展は、「パネル」と「展示」の2コーナーに分かれ、パネルコーナーは、「法華経と文化・芸術」「仏教経典の写本とは」「多くの言語で流布した仏教経典」「法華経のメッセージ」「シルクロードは“ロータス・ロード” 」で構成。展示コーナーでは「池田SGI会長が受贈した法華経関連文物」「法華経写本シリーズ」「各国語版『法華経』」などを紹介した。
 

記念シンポジウムでは、以下の発表がなされた。 

(1)川田洋一(東洋哲学研究所所長)「現代文明と法華経――利他主義を基軸に」
(2)菅野博史(東洋哲学研究所主任研究員・創価大学教授)「『法華経』におけるサッダルマの概念と一仏乗の思想」
(3)ハレル・オニール(米・カンザス大学)“Continental Origins and Culture of Copying: An Examination of the Prototypes and Textualized Community of the Japanese Jeweled-Stūpa Mandalas”(日本の宝塔曼荼羅の祖型とそれを生み出した背景についての研究:中国における起源と書写の文化)
(4)マックス・デーク(英・カーディフ大学)“From Scholarly Object to Religious Text – the Story of theLotus-sūtraa in the West”(研究対象から宗教聖典へ――西洋における法華経受容の変遷)

◆主催::東洋哲学研究所
◆協賛:ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所、大英図書館、国際敦煌プロジェクト、英国・アイルランド王立アジア協会、イギリスSGI
◆会場:ロンドン池田平和会館
◆開催日:2011年11月22日~27日 

 新聞報道から

 (聖教新聞2011年11月30日付)

 

インドからシルクロードを経て、中国、日本へと流伝し、民衆に生きる希望を与え続けてきた諸経の王「法華経」。

その歴史と精神を伝える「法華経――平和と共生のメッセージ」展は、2006年11月に香港でスタート。

創価学会が東洋哲学研究所に編集を委託して発刊した「法華経写本シリーズ」や、貴重な文物等を展示し、法華経の「生命尊厳」と「慈悲」の哲学を発信してきた。

これまでに香港、マカオ、インド、スペイン、ネパール、ブラジル、スリランカで開催。今回のロンドン展は、8カ国・地域目となる。

22日の開幕式では、イギリスSGIのサミュエルズ理事長の後、同研究所の川田所長があいさつ。

世界に東洋の英知を発信する同研究所の目的と取り組みを紹介しつつ、「“法華経展”を通じて、人類が必要とする、智慧の光が見いだされることを期待します」と述べた。

来賓からは、同研究所の活動への評価と、創立者の池田SGI会長への共鳴の言葉が多数寄せられた。

ウィンチェスター大学の平和紛争解決センター所長であるマーク・オーエン博士は「特に、パネルで紹介された、中国の敦煌の壁画に感動しました。イギリスで、さらに、このような展示を続けてくださることを望みます」と語った。

また、ロンドン大学のルチア・ドルチ博士、同大学のウィリック・ペイグル博士、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのアイリン・バーカー教授などが出席した。

「東洋哲学研究所は、素晴らしい学術的な仕事をされています」「法華経を多様な角度から理解できました。特にロシアのコレクションが素晴らしい。法華経のもつ強い力を感じました」等の感想が寄せられた。

翌23日には、同会館で、同展開催を記念するシンポジウムを開催。法華経の思想・哲学、その受容の歴史と現代性をめぐって意見が交わされた。

川田所長は、現代文明の危機を打開する鍵として、牧口初代会長の「人道的競争」の概念に論及。SGI会長の「文明間対話」「宗教間対話」の壮大な取り組みを紹介した。

続いて、カンザス大学のハレル・オニール博士、東洋哲学研究所の菅野博史主任研究員(創価大学教授)が登壇。

最後にスピーチしたカーディフ大学のマックス・デーク博士は、西洋における「法華経」の受容と仏教観の変遷について語った。

参加した英国・アイルランド王立アジア協会図書館員のキャシー・レイゼンバット氏は、「異なる国籍、学術的な背景を代表する発表者による報告は興味深く、『法華経――平和と共生のメッセージ』とのテーマに応える充実した内容でした」と感想を。

さらに、参加者からは「法華経で説かれる譬喩が、すべての人々に語りかける力があることが、十分に理解できました」「SGI会長が推進する、宗教間対話の重要性を改めて認識する機会となりました」「法華経を芸術、言語、哲学の視点からアプローチしたシンポジウムは、光を与えてくれるものでした」等の声が聞かれた。 

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