「法華経――平和と共生のメッセージ」展(台湾)

台湾展


概要

 
至善文化会館。“法華経展〟との懸垂幕は縦17メートルの大きさ

 

 「法華経――平和と共生のメッセージ」展が、台湾で初めて開催された。会場となった台北市の至善文化会館(写真上)は、世界四大博物館の一つともされる故宮博物院の真向かいに立つ。ここに、6世紀書写の鳩摩羅什訳「妙法蓮華経」など諸言語に翻訳された法華経写本(複製)、『インド国立公文書館所蔵 ギルギット法華経写本――写真版』等の「法華経写本シリーズ」、 世界最初の梵文「法華経」校訂本や、石板に刻まれた仏教経典の拓本など、貴重な文物130点を展示。さらに法華経の歴史や、七譬などの内容を、パネルや動画を通してわかりやすく紹介している。 

 

◆主催:東洋哲学研究所、台湾創価学会

◆後援:台湾内政部、文化部、故宮博物院、台湾大学ほか

◆会場:至善文化会館(台北)

◆開催日:2013年1月27日~3月30日(2月2日~11日と毎週月曜日は休展)

 

 

右から台湾芸術大学美術学部の林進忠学部長、中華文物保護協会の莊芳榮理事長、台湾大学の杜保瑞学務長、文化部文化資源局の蕭宗煌局長、東洋哲学研究所の川田所長、台湾創価学会の林釗理事長、內政部の林慈玲常務次長、故宮博物院書画処の李玉珉処長、台湾博物館の陳濟民館長、台湾師範大学芸術学部の李振明学部長、政治大学宗教研究所の謝世維副教授


新聞報道から

   (聖教新聞2013年1月31日付) 

 

東洋哲学研究所(創立者=池田SGI会長)が企画・制作する「法華経――平和と共生のメッセージ」展が27日、台湾SGIの至善文化会館(台北市)で開幕した。3月30日まで一般公開される。

 台湾で初となる〝法華経展〟は、同研究所と台湾SGIの共催によるもの。台湾の内政部、文化部をはじめ、故宮博物院、台湾大学などが後援する。
 これまで9カ国・地域で仏教の叡智の結晶を紹介してきた同展。6世紀書写の鳩摩羅什訳「妙法蓮華経」をはじめ諸言語に翻訳された法華経写本(複製)や、世界最初のサンスクリット語「法華経」校訂本、アショーカ王の獅子柱頭(複製)、創価学会「法華経写本シリーズ」など、130点を公開している。
 このほか、法華経をモチーフにした敦煌莫高窟の壁画や法華経流布の歴史等を、86枚のパネルで解説。法華経の哲理を子どもたちに楽しく伝えるコーナーも設置されている。
 
 さらに今回は特別に、台湾の学術・文化機関に所蔵されている鳩摩羅什訳「妙法蓮華経」写本9点が出展された。
 
〝法華経展〟の開幕式では、台湾SGIの林釗理事長、東洋哲学研究所の川田洋一所長に続き、台湾政府の代表があいさつした。
 内政部の林慈玲常務次長は「法華経の根本精神は、万人に具わる尊厳性への認識です。SGIは、そうした法華経の思想を根幹とし、一人一人の善性を啓発しています」と指摘。今後も、共に平和と幸福が輝く社会を築いていきたいと話を結んだ。
 続いて、文化部文化資源局の蕭宗煌局長が、台湾SGIの多彩な文化運動を紹介。「SGIは、公的な美術館が推進すべき重要な事業に取り組まれています」と語った。
 また、この日、東洋哲学研究所の菅野博史主任研究員、川田所長が法華経の思想をめぐり講演した。
 〝法華経展〟の模様は、中央通信社などで報道された。  
 

法華経の宇宙的広がりを感じさせる工夫も

 

「三車火宅の譬え」を表現 

 

 

法華経流布の歴史地図

 

彰化

台湾で2度目の開催となる「法華経――平和と共生のメッセージ」展が1月25日、台湾SGI(創価学会インタナショナル)の彰化文化会館で開幕した。同会館は、台湾中部の彰化県に立つ。今回は、2013年の台北展(至善文化会館)に続くものである。

展示会では、敦煌莫高窟の壁画パネルや貴重な写本資料の複製をはじめ、創価学会「法華経写本シリーズ」などが公開されている。また、同展の開幕に合わせて、翌26日には、初の海外出版となる『ガイドブック 法華経展―平和と共生のメッセージ―」中国語(繁体字)版が創価文教基金会の翻訳・編集により発刊された。

同展は4月19日まで開催され、1万1千人を超える観賞者が訪れた。


◆主催:東洋哲学研究所、台湾SGI

◆会場:彰化文化会館(彰化)

◆開催日:2015年1月25日~4月19日

 

 

高雄



 「法華経――平和と共生のメッセージ」展の台湾巡回展である高雄展の開幕式が5月2日、台湾SGI(創価学会インタナショナル)の鳳山文化会館で行われた。
 
 高雄は台湾南部に位置し、台北に次ぐ第2都市。中山大学をはじめ、多くの学術・教育機関を擁するため、“法華経展”への各界の関心は高く、開幕式には多く参加者が来場した。

 式典では、著名な書家で台湾師範大学美術学部の洪根深教授が自ら認めた法華経二十八品と開結の書の贈呈が行われた。
 祝辞に立った高雄師範大学の呉連賞学長は、現代世界が直面する“文明の衝突”の危機に言及し、その原因が「人の心」にあることを強調。「衝突を生み出す人の心を調和させ、東西の世界を融合させゆくために、法華経の精神が重要なのです」と述べた。


 そして、洪教授、呉学長とともに、高雄師範大学成人教育研究所の余嬪所長、高雄市政府民政局の曽姿雯局長、高雄第一科技大学マーケティング・流通管理学部の趙沛学部長、主催者を代表して台湾SGIの林釗理事長らがテープカットを行った。

 同展は7月19日まで開催され、2万6千人を超える観賞者が訪れた。





◆主催:東洋哲学研究所、台湾SGI

◆会場:鳳山文化会館(高雄)

◆開催日:2015年5月2日~7月19日



桃園


台湾での「法華経――平和と共生のメッセージ」展の3都市目となる巡回展が8月15日、台湾SGIの桃園文化会館で開催された(11月8日まで)。第2次世界大戦の終戦から70年となる8月15日に開幕した同展は、不戦と平和実現の意義を込めたものである。

式典には、桃園市の鄭文燦市長、同市文化局の荘秀美局長、台湾博物館の陳済民館長、台北芸術大学の林保堯名誉教授、中国文化大学の陳清香教授をはじめ、各界の来賓が出席し、テープカットを行った。

あいさつに立った鄭市長は「東洋哲学研究所の創立者・池田SGI会長が収集を続け、その研究成果を公開した“法華経展“は、人類文明の努力の証しを示すものです。第2次世界大戦を経験したアジアにとって、平和と共生のメッセージは何よりも重要です。多くの市民に、この展示会を見て欲しいと思います」と述べた。

林名誉教授は、2013年以来、台湾での“法華経展”が各地を巡回してきたことへの喜びを語り、「このような貴重な遺産を、若い学生たちとともに学んでいきたい」と念願した。

式典の模様は「台湾導報」などが報道した。



 翌日16日には、“法華経展”を記念するシンポジウム「普世価値、人類文化、世界遺産」が行われた。ここでは、林名誉教授、陳教授とともに、東洋哲学研究所の松岡幹夫研究員が「『法華経』のエッセンス――すべてを生かす」と題した講演を行った。

発表では、『法華経』のエッセンスは「すべてを生かすこと」である述べ、約2千年前に成立されたとされる『法華経』から現代の私たちは貴重な人生論、政治論を学び取ることができると語った。また、『法華経』の「諸法実相」の思想は、現実がそのまま究極の真理であることを説いていることに言及するとともに、『法華経』が、現実を変える理想主義であると強調。「それぞれの国や地域の現状を尊重し、漸進的に進んでいくこと教えた経典である」と訴えた。
 同展は11月8日まで開催され、期間中、5万4千人を超える観賞者が訪れ、大きな反響を呼んだ。

 

◆主催:東洋哲学研究所、台湾SGI

◆会場:桃園文化会館(桃園)

◆開催日:2015年8月15日~11月8日

Share
Tweet
LINE