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新たな生死観を求めて(下)――大乗仏教の挑戦5

東洋哲学研究所編

2010年11月発行

※在庫切れ

 


主な内容

仏教と人間の誕生―「仏教産科学」の示すもの 川田洋一
生命誕生に関わる医療 石川てる代
「人間の生命のはじまり」に関する一考察  藤原武男
ES細胞・iPS細胞に関する一考察     山本典生
iPS細胞の現状と生命倫理      山之端万里
生命誕生の臨床現場における諸問題(体験手記も含めて) 片岡優華/稲光礼子/小島明子
創発的健康観の必要性  木暮信一

東洋哲学研究所の川田洋一所長は、同書に寄せた「序」のなかで、掲載された論文を次のように紹介しています。

 

本書に収録された7本の論文について紹介すると、私の「仏教と人間の誕生――『仏教産科学』の示すもの」は、仏教の典籍のなかに記された人間の誕生についてまとめている。今日の産科学、生命倫理と対応させながら、人間としての生命の始まり、胎児の成長過程、生命の尊厳に対して仏教がどのように洞察しているかなどを見ていく。

 

石川てる代氏の「生命誕生に関わる医療」は、産婦人科医の立場から、医療現場における実体験をもとに、人工妊娠中絶、人工授精、出生前診断、遺伝子診断、生殖医療などの実態と問題点について、具体的に紹介し、考察している。

 

藤原武男氏の「『人間の生命のはじまり』に関する一考察」は、人間の生命のはじまりを一連のプロセスととらえ、キリスト教、ユダヤ教、イスラームにおいて、生命のはじまりをどのように認識し、誕生した生命の尊厳についてどのように考え、対処してきたかを論じている。

 

山本典生氏の「ES細胞・iPS細胞に関する一考察」、山之端万里氏の「iPS細胞の現状と生命倫理」は、ともに最先端の生命科学技術についての論考である。臓器移植にかわる再生医療への応用の可能性の大きさが指摘される一方で、特に「ヒトの生命の萌芽」という視点からの生命倫理上の課題が論じられている。

 

片岡優華氏・稲光礼子氏・小島明子氏の「生命誕生の臨床現場における諸問題(体験手記も含めて)」は、看護師の立場からの医療現場の声である。医療従事者、出産施設が極端に減少し、医療現場の激務化と施設の過密化が大きな社会問題となっている現状をふまえ、それに対する対策などを紹介しつつ、産婦自身が安心・満足できる出産、育児の重要性が叫ばれている。

体験手記は出産・育児にかかわる6名の実体験である。超未熟児、難病を抱えた子どもさんの出産・育児など、困難を乗り越えた貴重な証言集となっている。

 

 木暮信一氏の「創発的健康観の必要性」は、現代の生命科学や脳科学の進展をふまえての健康観についての論考である。健康を病気の対極に置くのではなく、身体的のみならず、精神的、社会的な面においても良好であることが健康であるとする健康観を取り上げ、望ましい健康的な生き方について論じている。

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