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「東洋学術研究」 通巻170号(第52巻第1号)

2013年(平成25年)5月発行

 

■今号の特集は「現代社会と女性」                          

2012年の「連続公開講演会」として開催された4回の講演会の内容をくわしく紹介しています。講演会の開催趣旨は以下のとおりです。

「21世紀は『女性の世紀』といわれます。社会のあらゆる分野で活躍する女性の姿が、かつてないほど目立っています。社会の諸制度や社会意識、ライフ・スタイルの変化等が、それらを後押ししているといえるでしょう。現代社会には、いわゆる人類的課題といわれる難問が山積していますが、それらを克服し、よりよい社会を構築するために、今こそ女性が主体者として力を発揮していくことが要請されているといえます。そこで、本年度の連続講演会では、統一テーマとして『現代社会と女性』を掲げ、女性たちが直面する諸課題、女性が果たすべき役割などについて考察していきたいと思います。本講演会が、現代を生きる女性たちへのエールとなれば幸いです」                                         

講演の第1回「少子高齢社会とジェンダー」(講師:瀬地山角・東京大学教授)では、人口が減少していく社会にあって、高齢者や主婦層の就労の必要性、家事・育児への男性の参加の必要性などが大きくなっている現状が述べられました。

第2回「心を結びつける言葉の力」では、米エマソン協会のサーラ・ワイダー元会長が被災地・仙台を訪れ、東日本大震災の悲劇のなかで「言葉の力」がどのように発揮されたかについて語りました。

第3回「長寿が男女の生き方を変える」では、「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子理事長が、かつてない長寿社会を迎えたことの「祝福」と「課題」の両面に触れて、労働における男女平等や地域内の絆など、日本人が生き方を変えるべき諸点を具体的に論じました。

第4回「国際協力と女性の視点」の講師は「難民を助ける会」の長有紀枝理事長。同会の創始者・相馬雪香氏のグローバルな精神を語るとともに、自らの豊富な体験を通して、貧困・差別・紛争などさまざまな困難と戦う世界の女性の現状を紹介しました。

 

■また、イスラーム文化圏で初の共同シンポジウムとなった、マレーシアでの「文明間対話――平和・共生・持続可能性」シンポジウムから、マハティール元首相による特別講演と、4セクション(環境・共生・ジェンダー・平和)の8論考を掲載しています。


特集[現代社会と女性] (連続公開講演会より)

少子高齢社会とジェンダー …………………………………………………… 瀬地山 角

心を結びつける言葉の力  …………………………………………… サーラ・ワイダー

長寿が男女の生き方を変える  ………………………………………………    樋口恵子

国際協力と女性の視点    …………………………………………………    長 有紀枝

 

マレーシアでの「文明間対話――平和・共生・持続可能性」シンポジウムより

特別講演

人類は本当に「文明化」されたのか? ――「戦争は犯罪である」を世界の規範に―― 
             ………………………………  マハティール・ビン・モハマド

祝辞          ……………………………………      モハマド・ハムディ

歓迎あいさつ        ……………………………………………    ライハナ・アブドゥーラ

環 境

「持続可能な未来のための世界観の変革」と「対話の役割」(要旨) 

                ……………………………   アジザン・バハルディン

仏教からみた共生と持続可能性  ………………………………………………  山本修一

共 生

国内そして世界の共生を求めて――平和の基本原理再考(要旨)

             ……………………………………   イブラヒム・バジュニド

仏教における共生・調和の思想――天台智顗の法華思想を手がかりに……… 松森秀幸

ジェンダー

理想と現実の間――女性に対する暴力とイスラームにおける女性の実像

               ………………………    ザレハ・カマルディン

仏教の女性観――SGIの視点から  ……………………………………     栗原淑江

平 和

「平和と調和のための対話」へ人文科学は何ができるか

              …………………………… サイド・ファリッド・アラタス

仏教平和論の特質――文明間対話における仏教の貢献 ……………………  川田洋一

 

各地の講演会より

愛に満ちた対話 ……………………………………………………ハンス・ペーター・デュル

ジャイナ教の不殺生の原則とエコロジー …………………………   S・L・ガンジー

 

台湾「法華経――平和と共生のメッセージ」展より

『法華経』の中心思想       ……………………………………     菅野博史

 

〈研究覚え書き〉 

R・G・コリングウッドと「寛容」としての歴史の精神 …………………   春日潤一

気候変動の国際レジームへの法的研究 ………………… ティル・マークス 

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