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創価学会「法華経写本シリーズ」6 概要

『ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部所蔵 西夏文「妙法蓮華経」写真版(鳩摩羅什訳対照)』


シルクロードの東端の要衝の地に建国された西夏国(西暦1032~1227年)は、幾多の漢訳仏典・中国文献を西夏語に翻訳する国家プロジェクトを初代皇帝李元昊(在位1032~1048年)の治世に開始した。西夏語は、チベット・ビルマ語派に属し、西夏国の主要構成部族の口語からつくられた文章語であり、それを表記するために考案されたのが西夏文字であった。


翻訳事業の進展とともに、西夏語はしだいに推敲され、表現力豊かな文章語に練り上げられていった。「西夏文法華経」は、それがかなり進展した12世紀の仁孝皇帝(在位1139~1193年)の治世に完成した。これは鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』からの重訳である。「法華経」の西夏文は、「華厳経」の擬漢文体の西夏文と異なり、すこぶる難解で、非常に重要な特色を持っている。それは、「法華経」の漢語の逐語訳でなく、十分に意味を読み取り得ない箇所が多い厄介な文体である。(標記「写真版」載録論文 西田龍雄「西夏語訳法華経について」による)


ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部に所蔵される、学術的に貴重な「法華経」の西夏文テキストが、鮮明な写真版の形で、西夏語研究の第一人者、京都大学名誉教授・日本学士院会員の西田龍雄博士の編集により、創価学会「法華経写本シリーズ」6として出版されたことは、西夏語研究の将来の発展に大きく貢献するものと期待される。

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