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創価学会「法華経写本シリーズ」3 概要

『カーダリク出土 梵文法華経写本断簡』


カーダリクは、現在の中国新疆ウイグル自治区のホータンの東115キロの地点に位置する遺跡である。ここで発見された梵文法華経写本は、20世紀初頭、盗掘者たちによってヨーロッパの探検隊にバラ売りされ、現在のような断簡となって、ベルリン国立図書館のトルファン・コレクション、ミュンヘン国立民族博物館のフランケ/ケルバー・コレクション、ロンドン大英図書館のスタイン・コレクション、ヘルンレ・コレクションとして保管されている。


編者のゲッティンゲン大学インド学仏教学研究所(現インド学チベット学研究所)のクラウス・ヴィレ博士は、4つのコレクションとして分散しているこれらの断簡の写真の収集・整理の作業を1988年から開始し、97年までにそれらのローマ字転写本、ドイツ語の序論、コンコーダンスを完成していた。


当時の同研究所所長ハインツ・ベッヘルト教授の提案により、その英語版が創価学会「法華経写本シリーズ」3として2000年に出版された。写真版の83枚の図版のうち39枚目の図版以外はすべて鮮明なカラー写真である。また、これらの断簡と中央アジア出土の梵文法華経写本テキストとを対照した精緻を極めたコンコーダンスは、専門家必携の資料であり、その高い完成度に世界の仏教学者から賞賛の声が寄せられている。


断簡とはいえ、中央アジア所伝の梵文法華経のテキストを提供する本書は、「法華経写本シリーズ」1の『旅順博物館所蔵梵文法華経断簡―写真版及びローマ字版』とあい携えて、ネパール系写本も包括した、梵文法華経写本研究に大きな役割を果たすことが期待される。

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