ホーム講演会2020年

インドの詩聖ロビンドロナト・タゴールの思想――信仰と理性の観点から

 

 

 

 

 

 

 

 

◆講師:竹内 啓二氏(麗澤大学名誉教授)
◆開催日:2020年10月10日
◆方式:YouTubeライブ配信(オンライン)

連続公開講演会「信仰と理性――コロナ禍のなかで」開催趣旨

講演内容は「東洋学術研究」に掲載予定

 

竹内啓二氏は、筑波大学大学院の後、インド国立ヴィシュヴァ・バラティ大学で哲学博士号を取得。近代インド思想や死生学とともに、ブッダと仏教の研究、ナラティヴ・アプローチ、スピリチュアル・ケア、聖人などを専門領域としている。これまで麗澤大学教授等を歴任し、タゴールの思想研究なども推進してきた。

 

講演では、「今回の講演会では、信仰と理性という視点からタゴールの思想を見ていきますが、信仰の方は、宗教と理解し、理性は、合理性、論理、さらには科学などに関連するととらえていきたいと思います。タゴールは、無限者と個、神と人間は、愛の関係にあり、無限者を人格をもった存在と見ていたのです。神は人間を愛し、人間は神を愛する、という関係にあると考えていたということです。一方で、形のない、属性のない、唯一絶対の至高存在という考え、もう一方では、人格をもった姿、形をイメージできるような神の考え、タゴールはこの二つの対立する考えを持っていたのです」と述べた。

 

また、タゴールと仏教についても触れ、「タゴールは、タゴール国際大学を、仏教研究の大学とする構想があり、仏教の生き生きとした思想を伝えるという考えももっていました。生きとし生けるものへの慈悲の心のメッセージは、タゴールが説く、愛の思想につながっています。仏陀の慈悲は、自分の子どもや自分の仲間だけに注がれるのではありません。すべての人間、生きとし生けるものに注がれます。タゴールは、この仏陀の理想に世界の人々が集い来るように呼び掛けたのです」と語った。

 

最後に、「タゴールは、高い理想を掲げながら、文学や音楽、芸術、さらには教育を通して、人間の成長、成熟を目指し、現実の時代や社会の状況にもしっかり目を向け、現代文明の危機にも警鐘を発しました。現在のコロナ禍にあって、タゴールの残した遺産からわれわれは多くのことを学びとることができるのではないでしょうか」と望んだ。

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