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公開講演会-2014年(平成26年)

 2014年に行われた講演会です(最新順)。肩書は開催当時のものです。 


連続公開講演会「地球文明への道」

第5回「地球文明と生命価値経済システム」

◆講師:八巻 節夫氏(東洋大学名誉教授)
◆開催日:2014年11月11日
◆会場:日本青年館(東京・新宿区)

講演内容は「東洋学術研究」2015年第1号に掲載


 
 八巻氏は、財政学・環境経済学を専門として、これまで、地球環境問題に対する経済学からのアプローチを行ってきた。東洋大学経済学部教授、日本財政学会理事などを歴任。現在、東洋大学名誉教授、東洋哲学研究所委嘱研究員を務める。

 講演会では、「地球文明への道」の最終回としての位置付けを明確にし、人類がいかに生命価値を増進させる文明を築くことができるのかを主題として論じた。
 氏は、現代の物質文明が抱える諸問題に言及しつつ、「成長の限界」を迎えている今、地球規模での意識革命と地球全体を包む生命尊厳の価値体系を構築する必要があると強調。教育者・牧口常三郎が提唱した人道的競争の重要性に注目し、物質的豊かさから生命多様性や豊かさを競い合う社会の実現へ、全世界が進んで行かなくてはならないと訴えた。

連続公開講演会「地球文明への道」

第4回「宇宙から考える文明」

◆講師:松井 孝典氏(千葉工業大学惑星探査研究センター所長)
◆開催日:2014年10月16日
◆会場:日本青年館(東京・新宿区)


講演内容は「東洋学術研究」2015年第1号に掲載



 松井氏は、地球惑星物理学を専攻し、アストロバイオロジー(宇宙生物学)研究の第一人者である。これまで、NASA客員研究員、東京大学大学院教授などを歴任し、2009年より千葉工業大学惑星探査研究センター所長を務めている。
  
 講演では、現代における様々な課題を前に、それらを地球のレベルだけでなく、宇宙規模で包括的に見ていく時、普遍的な視点が構築されていくと強調。宇宙・地球・生命が誕生していく過程は、均一から分化へと進んだ変化によるものであり、人類は、その歩みの中で、「人間圏」を生み出したのであると述べた。
 さらに、「人間が共同体を創り、より良い生き方を志向していくのが文明であり、混沌とした現代世界にあって、その役割を果たす一つが、宗教なのです」と語った。

連続公開講演会「地球文明への道」

第3回「ファクター5 地球の持続可能性に向けて―少ない資源で豊かな社会を」

◆講師:シェリル・デーシャ氏(クイーンズランド工科大学理工学部上級講師)
◆開催日:2014年10月2日
◆会場:日本青年館(東京・新宿区)


講演内容は「東洋学術研究」2014年第2号に掲載



 デーシャ氏は、ローマクラブ共同会長で環境学者のエルンスト・U・フォン・ヴァイツゼッカー博士とともに、『ファクター5 エネルギー効率の5倍向上を目指すイノベーションと経済方策』を著した環境科学者である。

 講演で氏は、「ファクター5の目的は、全体的なシステム改革をすることによって、人々に希望を抱かせることです。私たちは、テクノロジー、インフラストラクチャ―、法的基準、教育、文化的慣習などが全体的システムとして相互に作用をすることで、『健全な環境を保全しながら経済発展が可能である』ことを実例をもって示そうとしているのです」と語った。


 氏は、力のある政府と熱心な市民が協力して、市場の為に善意の法律とモラルの枠組みを作る必要があると強調。「ファクター5では、グリーン・イノベーションの波を主流にする為の枠組み条件として、政治、経済学、心理学の面から省エネルギーと再生可能エネルギーを訴えています」と述べた。
 さらに、21世紀の人類に与えられた試練は、最大100億人までの人類が「繁栄しつつ惑星地球に住み続ける」ことを可能にする挑戦なのですと述べるとともに、「それは、全ての生命に良き環境を取り戻すことでもあり、人類のみならず地球のシステムの実質的改善に貢献するものです」と言及した。
 そして、「問題の解決には、新時代にふさわしい経済と政治のリーダーシップが必要です。それとともに、ファクター5の考え方が、世の中の主流となっていくことが不可欠なのです」と望んだ。

連続公開講演会「地球文明への道」

第2回「生命を基本にする社会」

◆講師:中村 桂子氏(JT生命誌研究館館長)
◆開催日:2014年9月30日
◆会場:梅田スカイビル(大阪・北区)

講演内容は「東洋学術研究」2015年第1号に掲載

 

 中村氏は、人間も含めての様々な生き物たちの「生きている」様子を見つめ、そこから「どう生きるか」を探す新しい知を「生命誌」として、長年に渡って研究を続け、2002年にJT生命誌研究館館長に就任している。

  講演では、東洋哲学研究所が掲げる「地球文明の創出」に言及。科学者として東日本大震災を見つめてきた心情に触れ、自然の脅威を改めて知るとともに、自然と共生し、地球全体で物事を考えていく時代の構築をしていかなければなりませんと述べた。 
 そして、「地球上には、人間だけでなく、無数の生き物が暮らしています。そうして生命が一緒になって生きていく文明を創ることが、地球文明を生むことになると思います。今回のテーマに掲げた『生命を基本にする社会』とは、生命がより良く、『生きる力』を育むことにあるのです」と訴えた。

連続公開講演会「地球文明への道」

第1回「『地球文明』の肖像――比較文明学の旅路から」

◆講師:吉澤 五郎氏(麗澤大学比較文明文化研究センター 客員教授)
◆開催日:2014年9月16日
◆会場:日本青年館(東京・新宿区)

講演内容は「東洋学術研究」2015年第1号に掲載


 吉澤氏は、比較文明学、西欧中世文化史を専門としつつ、トインビー研究の第一人者として、トインビー・地球市民の会の代表等を歴任。 

  講演では、長年に渡って、トインビー博士の歴史観・文明観の研究と紹介に尽力してきたことが語られた。そして、連続公開講演会の統一テーマである「地球文明」について、インドの詩聖タゴールの“文明の使命とは、人びとの間に結合をもたらし、平和と調和を築くことである”との言葉を引用しつつ、人類史の未来を開くために、大変に重要で、深い意義を持つテーマであると述べた。
 また、「地球文明」の歴史的展望として、現代が新しい時代の転換期を迎えていることに触れ、氏は、その時代こそが、環境と人間をより良い状況へと変革しゆく「人間革命」の時代であると語った。
 さらに、ユネスコ憲章の前文に記される「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」を通して、「私たちが地球の未来を開く一人一人となっていかなければなりません」と呼びかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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