ホーム講演会2011年(平成23年)

第2回「イスラームから考える――21世紀の現代世界」 (イスラームに関わるいくつかのことがら)

師岡氏は、「イスラーム的」「反イスラーム的」等の単純化した固定観念がメディアなどで広められている現状を指摘。

 たとえば、「イスラームは飲酒を禁じているはずだから、『酒と盃』を歌うペルシャの詩人ウマル・ハイヤーム(1048-1131)を読むのは、反イスラーム的?」――もちろんそうではなく、彼の『ルバイヤート』を多くのムスリムが愛読し続けてきた。

たとえば、チュニジアのジャスミン革命で人々を支えたシャーッビー(1909-34)の詩は 「いつの日か人々が生きることを望んだならば 運命は必ずやそれに応えるだろう」と呼びかける。「運命は神によって決められるのだから、この詩のように 『人間が運命を左右できる』とするのは反イスラーム的?」――もちろんそうではなく、聖典クルアーンでは、人間が自らを変えないかぎり、神は人間の運命を 変えないとされている。

たとえば、サウジアラビアでは女性が車を運転することを禁じているが、これは「原理」に忠実だから?――そうではなく、男尊女卑はむしろクルアーンの本来の教えに忠実ではない結果である。

イスラーム世界といっても一様ではなく、個人のライフスタイルも極めて多様である。イスラー ムへの固定観念よりも、「自分はイスラームのことをまったく知らない」との自覚、そして当たり前の人間としての共感力や想像力のほうが、現実を理解するう えで役に立つ――講演では、こうした点が具体例を挙げて強調された。

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