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「法華経とシルクロード」展 創立者に特別功労顕彰



「法華経とシルクロード」展を記念して、東洋哲学研究所創立者の池田大作SGI会長に、「サンクトペテルブルク学術センター」の全32研究機関の総意として、「特別功労顕彰」が贈られた。

これは、創立者・池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長の「世界的な文化の対話の促進」「精神の覚醒を促す、倦むことなき行動」をたたえてのもの。

授与式は1998年11月8日、戸田記念国際会館で行われ、ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク学術センターのペトロシャン副総裁は「現代の"精神の危機"を救う行動をたたえたい」との顕彰文を読み上げた。また東洋学研究所のクチャーノフ所長は「文化の対話の達人に敬意を表します」と祝辞を述べた。


「特別功労顕彰」の顕彰文

深く尊敬する創価学会インタナショナル会長の池田大作先生!

ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク学術センターを代表して、賛嘆の辞を申し上げる機会を得たことは、喜びにたえません。

世界に広げた「文化の対話」

貴殿は、現代の「精神のルネサンス」を標榜し、「人間主義」を広めゆく偉大なヒューマニストとして、ロシアで知られております。

また創価学会は、日本はもとより世界の社会、教育、文化の発展に大きく貢献しており、その指導者として、貴殿は全世界で称賛されております。

文化の対話が進み、現代の人類が抱える複雑な問題を解決する鍵として、「精神文化の役割」が注目されてきているのも、貴殿のたゆまぬ崇高なご活動によるところ大であると考えます。

数多くの国への友好訪問、訪日した世界各国の人々との語らい、128カ国にも及ぶ創価学会インタナショナルのネットワーク、学術機関の設立、多数に及ぶ哲学的な著作――こういった事実を挙げるだけで、それは明らかであります。

また、貴殿が創立された東洋哲学研究所の支部の一つ(「ロシア・センター」)がサンクトペテルブルクにあることは、私どもの喜びであります。

池田先生。今回、世界に類をみない貴重な展示会を開催する機会をいただいたことに対し、感謝を申し上げます。

"精神の危機"を救う行動

ロシア科学アカデミー東洋学研究所が所蔵する、「法華経の世界最古の写本」を中心とするこの展示会が、実現の運びとなりましたのも、人間の心の世界、精神の覚醒と成長に最大の価値を置いておられる貴殿の広いお心に包まれてのことである――これは皆の認識するところであります。

現代世界を脅かしているのは「精神の危機」であり、アイデンティティーの喪失、相対的な物質文明の中に生きる人々の「精神の貧困化」にこそ危険がある――貴殿がこう看破したことに、注目せずにはいられません。

池田先生。貴殿は、こうした危険性の深い根を見抜いておられる一人です。

その「根」を絶ち、世界的な文化の対話を広げ、「人生の目的を自覚した人間」としての成長を促す、貴殿の倦むことなき行動は、最大に評価されるべきであり、深い感謝の念にたえないのです。

貴殿の崇高な足跡が、世界の文化と融合する我が町サンクトペテルブルクにも及んでいることは、私どもにとって大変にありがたいことであります。

教育と「人間のための学問」の追究を最大の眼目とするロシア科学アカデミーの発祥地もサンクトペテルブルクであります。

サンクトペテルブルクは、文化、社会建設の運動の意味を我が国で最も深く理解し、精神の向上と経済的繁栄、平和な社会を促進しゆく町なのであります。

貴殿という人格の非凡さ、深き誠に貫かれた信条、日本と世界全体に対して果たされている使命の深き意義を、私どもはよく認識しております。

ロシア科学アカデミー副総裁、ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク学術センター総裁  J・I・アルフョーロフ

同センター副総裁  Y・A・ペトロシャン


クチャーノフ所長の祝辞

尊敬する池田先生。

本日は、このように親しく接することができ、本当にうれしく思います。

ロシアの偉大な詩人であるチュッチェフは言いました。「自然は偉大な芸術家である」と。

しかし、自然が創造する芸術、自然がつくる言葉を理解する人間は、そう多くはありません。先生は、その数少ない一人であります。先生は素晴らしい写真家でもあります。

「対話の達人」を尊敬

ロシアでは多くの人が先生について存じ上げており、とりわけ「文化の対話の達人」として知られております。

3日前(11月5日)、私はエルミタージュ美術館専属の「サンクトペテルブルク室内管弦楽団」のコンサート(民音主催の東京公演)にうかがいました。そして、先生が「文化の対話」を広げておられることを確信いたしました。

日本の聴衆が感激しながら聴いている姿に大変、感動したのです。

池田先生。あなたは、世界の文化の保存のために、大きなお仕事をされている方であります。

そこで本日は、第2次世界大戦中に美術品を守った歴史など、エルミタージュ美術館の偉業について記された書籍を、池田先生にお渡ししたいと思います。心よりの敬意をこめて。


創立者の謝辞

本日は、"人類の大いなる平和の波"である「法華経」をテーマに諸先生方と語り合うことができ、まことに意義深い日であります。

今回の展示会も、後世、時がたてばたつほど光り輝いてくるでありましょう。偉大な歴史をつくっていただき、関係者の皆さまに深く御礼申し上げます。

私の師匠である戸田先生の事業が、最大の苦境にあった時のことです。

ある日ある時、師弟二人して、皇居のお堀ばたを歩きました。

雨が降ってきたが、さす傘もない。乗る車もない。

ある建物を見上げながら、先生は「あの建物は立派だなぁ」と感嘆しておりました。

当時、学会には木造の小さな建物しかありませんでした。

その恩師の言葉に、当時20代はじめの私は、率直に応えました。

「ご安心ください。もっと立派なビルを、必ず私が日本中、世界中に百も千もつくりますから!」

この約束を私は、すべて果たしました。

その数ある会館のなかでも、ここ戸田記念国際会館は、私の師匠を格別に宣揚しゆくための殿堂であります。

心から尊敬申し上げるマルガリータ先生、ならびにペトロシャン副総裁、そしてクチャーノフ所長。

ただ今は、恩師も敬愛してやまなかった偉大なるサンクトペテルブルク市の32の学術機関から、最高に意義ある顕彰を賜りました。心より感謝申し上げます。この栄誉を、私は戸田先生の不二の弟子として、謹んで拝受させていただきます。

私のこの心情を、ペトロシャン副総裁は、だれよりも深く理解してくださることと思います。一昨年、お会いした折、副総裁が「人生の最大の幸福は、偉大な師匠をもつことなり」と晴れ晴れと語っておられたことを、私は忘れません。

先人が死守した「精神の宝」に感謝

かつて凶暴なるナチスは、壮麗な「文化の宝の都」である貴市を、この地上から消滅させようと企てました。しかし、その狂気の包囲にも、勇敢なる市民は、なんと9百日にもわたって、耐えて耐えて耐え抜かれました。

耐えることが勇気を深め、耐えることが勝利の力となりゆくことを、貴市の人々は、先生方は、世界史に厳然と示されたのであります。

私も、1974年の秋、この「英雄都市」を表敬訪問し、記念墓地に献花して、百万にもおよぶ犠牲者の方々に、心からの追悼を捧げました。

激しい爆撃の嵐。食料もない。灯す明かりもない。そのなかで、寒さに凍えながら、貴研究所の幾人もの学者が、文献の上でうつぶせになるようにして殉じていかれたことを、私は血の涙が出る思いで、うかがいました。

このたび、国外で初めて公開してくださる「法華経」の数々は、あまりにも尊い先人たちの大情熱によって、死守されてきた「人類の精神遺産」なのであります。

この展示には、11世紀か13世紀に栄えたロマンの王国・西夏の文字で記された、貴重な「法華経」の写本も出品していただきました。クチャーノフ所長は、この西夏の研究で世界的に著名な大学者であられます。

「富者よりも智者が偉い」

西夏の箴言に、こうあります。

「お金のある人間は偉くない。智慧のある人間が偉い。蓄えのない人間は賤しくない。働かない人間が賤しい」と。

普遍の「人間学」であります。こうもあります。

「夜中に犬が吠えても、権力者は(ふてぶてしく)眠り続ける。一方、早朝になって小鳥がさえずり始めても、智者は眠りを惜しんで学び続ける」

まさに、この言葉のごとく、不眠不休で、祖国のため、人類のため、そして未来のために、神々しき探究を貫き通してこられたのが、ここにおられる3人の先生方であります。そして貴アカデミーの誉れある先生方であります。

本物の中の本物の大知性と、このように心の交流を結び、21世紀の精神闘争へ共闘できることを、私は何よりも名誉とするものです。

不滅の"文字の力"が輝く

先生方の真心によって、ここに一堂に会した「法華経」等の仏教文書は、実に14種の言語で記されています。

それは、西はサマルカンド(今のウズベキスタンの都市)、メルヴ(今のトルクメニスタンの都市)から、東は日本に至る壮大な地域で用いられた文字であります。

私には、その一文字、一文字が黄金の輝きを放って見えます。あまりにも神々しく見えるのであります。

そして、この経典の「金文字」は、人種や民族や文化の差異を超え、人類が共存し、調和しゆく智慧を静かに語りかけているように思えてならないのです。

仏法では、「仏は、文字によって、衆生を救うのである」「文字を離れたならば、何をもって仏事(人々を救う仏の仕事)ができようか」と説かれております。

今、日本は、深刻な活字離れが憂慮されています。

良質の活字文化を失えば、国は滅びます。

ゆえに良書を残すことに、私も命を張って取り組んでいる一人であります。

今回の展示会が、専門の研究者の方々に活用されるとともに、多くの方々が「不滅の文字の力」を再認識する機会となりゆくことを、私は願ってやみません。

生命の「大いなる力」を呼び覚ます

さて貴市は、あの大文豪・ドストエフスキーも筆を躍らせた、芸術創造の世界的都市であります。

昨年、貴研究所から、私はドストエフスキーの最も完全に近い全集をいただきました。

私は、若き日に愛読した彼の信念を、詩にも謳い、また青年にスピーチもしてきました。

彼の言葉に、こうあります。

「よき時代は天から降ってくるものではなくて、わたしたちが自分でつくり出すものです。それはわたしたちの心の中にあるものなのですよ」(「スチェパンチコヴォ村とその住人」、小沼文彦訳)

卓見であります。

きょう、再会できた崇高な勝利の母、マルガリータ先生とも2年前に語り合いましたように、法華経とは、まさしく"私たちの心の中にある"宇宙大のエネルギーを解き放っていく「希望の哲理」「希望の哲学」であります。

ドストエフスキーが洞察したごとく、新しい時代創造の力は、"天から降ってくるもの"ではありません。

法華経では、その力は「地涌」、すなわち万人に共通する「生命の永遠なる大地」から湧き出ずると説いております。

私の恩師は、戦時中、日本のファシズムと戦い、2年間におよぶ投獄という大難の中で、この真髄を体得しました。

そして、敗戦後の荒廃した社会に飛び込んで、民衆の一人一人から、人間の一人一人から、「生命の大いなる力」を呼び覚ましながら、「平和の連帯」を拡大していったのであります。

厳しい冬を越えたロシアの大地からは、枯れ葉は消え去り、無数の若葉が生き生きと、たくましく湧き出てきます。

それと同じように、いかなる悪の策略があろうとも、勇気をもって正義に生き抜くならば、限りなく「新しい人材の芽」が伸びてくる。後継の人材群が、陸続と躍り出てくる。

法華経に示された「地涌の義」の通りであります。

この人間主義の前進には、絶対に行き詰まりがありません。

今や、愛するロシアにも、SGIのメンバーが誕生しました。かつて、だれも想像しなかったことであります。

そしてまた、貴研究所とともに、「法華経」を基軸として、新たな価値創造の歴史をつくりゆくことも、この「地涌の義」の妙なる証明であると、私は信ずるものであります。

これからも私は、地涌の若人が颯爽と続きゆく「文明の対話のシルクロード」を、先生方とご一緒に、更に開拓しゆくことをお誓い申し上げ、謝辞といたします。

スパシーバ(ロシア語で「ありがとうございました」)。


「ロシア科学アカデミー」と32機関

「ロシア科学アカデミー」の起源は18世紀。エカテリーナ2世によってサンクトペテルブルクで設立された。1932年まで、すべてのロシアの学術機関が同アカデミーの傘下にあった。

こうした歴史から、「ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク学術センター」は最重要の地方組織と位置づけられている。32の学術機関が加盟しており、1818年創立の東洋学研究所をはじめ、ロシアを代表する機関が並ぶ。

32の学術機関は以下の通り。

(1)物理学研究所(2)核物理学研究所(3)電子物理学研究所(4)応用天文学研究所(5)プルコヴォ天文台(6)天文物理学特別天文台(7)分析制御システム研究所(8)情報科学研究所(9)珪酸塩化学研究所(10)数学研究所(11)国際数学研究所(12)植物学研究所(13)動物学研究所(14)脳研究所(15)生理学研究所(16)細胞学研究所(17)機械学研究所(18)交通問題研究所(19)物質文化史研究所(20)東洋学研究所(21)プーシキン・ドム・ロシア文学研究所(22)言語学研究所(23)文書保存・修復研究所(24)ロシア史学研究所(25)社会経済問題研究所(26)社会学研究所(27)経済数学研究所(28)高分子化合物研究所(29)自然科学史・技術史研究所(30)湖沼学研究所(31)科学アカデミー図書館(32)科学アカデミー古文書研究所サンクトペテルブルク支部

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