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「法華経とシルクロード」展 展示の見どころ

ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部から来日した、ペトロシャン、クチャーノフ、ヴォロビヨヴァの3博士は、展示会の見どころを、こう語った。

<聖教新聞1998年11月10日付より抜粋・転載>

『法華経』翻訳の多さに注目

――国外初公開とのことですが、貴重な文物を持ち出すことに躊躇(ちゅうちょ)は、ありませんでしたか?


ペトロシャン前所長 不安はなかったと言うと、ウソになりますが(笑い)。

日本のスタッフの皆さんが、とても大切に扱ってくださいますので、安心しています。何より、日本の多くの方々に見ていただけることがうれしい。

ただ、今まで例のないことですので、やはり、責任の重さを感じます。緊張もします。

クチャーノフ所長 今回、日本にお持ちした文献は、実は、ロシア国内でも展示したことがないのです。最高のものを選んでまいりました。

ヴォロビヨヴァ博士 例えば、見どころとしては、法華経の翻訳の数の多さです。そこに、仏教が発展していくなかで、「いかに法華経が重要な位置をしめてきたか」を、お感じになれるでしょう。

重要だからこそ、世界中で訳され、広まった。今回は、数種類の言語・文字の法華経を紹介しています。

クチャーノフ所長 私は、ぜひ「文字」を見てほしいですね。サンスクリット語などの文字です。この文字を使って、人々は、どのように心を通わせ合ったのだろう……。そうした思いに浸りながら、じっくりと「文字」を楽しんでいただきたい。

――経典のなかでも、法華経の翻訳は多いほうなのですか?


ヴォロビヨヴァ博士 多いです。時代や場所によって、それぞれに、人々が大事にした経典があります。そのなかで法華経は、常に安定した人気を保ってきました。

クチャーノフ所長 西夏語の仏典のなかで、最初に訳された経典も「法華経」です。

「助け合う」ことを教えた経典

ヴォロビヨヴァ博士 法華経は「人に善をなす」ことを教えています。

「助け合う」「思いやりをもつ」「自分を磨いて向上していく」。そうした大事な教えが、法華経にきて、きちんと表現化された。

ペトロシャン前所長 私は、イスラムの研究者で、仏教の信仰者ではありませんが、今回の展示会を通して、うれしい発見をしました。

学者としてではなく、「人間として」うれしい発見です。

それは、仏教には、偉大な寛容性、平和主義、協調主義があるということです。

これらは、さまざまな宗教も訴えていることですが、仏教は、特にこの精神が豊かです。また仏教の中でも、最も明確に表現しているのが法華経です。

私たち3人は旧友同士です。お二人は同級生で、私は2つ上です。同じところで40年間、一緒に仕事をしています。学生時代から入れると、50年近くになるでしょう。

今まで、楽しいことも、困難なことも、たくさんありました。ただひたすら、古(いにしえ)の文献とともに人生を生きてきました。今回、こうして、池田会長をはじめ日本の皆さんと法華経の仕事ができることは、最高にうれしい人生の出来事です。


自己完成への「光」

「法華経とシルクロード」展開催が提案されたのは1996年(平成8年)11月。創立者・池田大作SGI(創価学会インタナショナル)会長に対して、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルク支部)の「名誉会員」称号が贈られた際であった。

来日したペトロシャン所長(当時)とヴォロビヨヴァ博士は、「法華経」をめぐって、創立者・池田SGI会長と、次のような語らいをしている。

(※聖教新聞1996年11月30日付より抜粋・編集)

創立者 所長から見て、法華経のどのような点に魅力を感じますか。

ペトロシャン所長 法華経に関する私なりの感想もありますが、マルガリータ(ヴォロビヨヴァ博士)の前で、お話しするのは恥ずかしい(笑い)。できれば、博士に答えていただきたいと思います。

庶民に語りかける経典

ヴォロビヨヴァ博士 法華経は、人間がよりよく生きるため、よりよい人格になるための道を示しています。法華経は人間完成、自己完成への「太陽」であり、「光」です。

また、数ある経典の中でも、とくに法華経は、庶民に語りかけている経典です。庶民に開かれた経典です。ですから、法華経が、創価学会の運動の根幹の哲学となっているということは、決して偶然ではないと思います。

所長 きょう私は、聖教新聞本社と創価学会本部などがある信濃町を訪問し、その建物の様子、地域の様子に触れて、創価学会が民衆に近く、民衆と密接なつながりをもった団体であることを実感しました。

創立者 民衆から離れては、民衆を引っ張っていくことはできません。救うことはできません。

法華経には、「竜女(りゅうにょ)の成仏」や、摩訶波闍波提比丘尼(まかはじゃはだいびくに)、耶輸陀羅比丘尼(やしゅだらびくに)が未来に成仏するという話が説かれています。

更に、日蓮大聖人は「男女はきらふべからず」――「男性と女性を分け隔ててはならない」と、男女の根源的な平等性を説いています。

今、世界は「女性の時代」「女性の世紀」へと向かっています。今こそ、法華経の男女平等の哲学が要請されていると思いますが、博士はどのようにお考えですか。

「男女の平等」「多様性の尊重」を宣言

博士 今、摩訶波闍波提比丘尼についてのお話がありました。彼女は、釈尊を育てた女性です。後に釈尊の弟子となり、女性出家者のための集団の創設を釈尊に願い出ます。釈尊の高弟・阿難がそれを支持し、その願いは認められます。

法華経以前の経典でも、釈尊は"女性も将来、仏になれる"と説いていますが、そのためには、いったん男性に生まれ変わらなければなりませんでした。しかし、法華経は、女性が、その身のままで成仏できると説いたのです。

創立者 おっしゃる通りです。

博士 法華経が、男性と女性の立場を平等だと宣言したのです。

創立者 法華経では、「三草二木(さんそうにもく)の譬え」などを通しながら、"多様なる生命"の平等を説きます。

また日蓮大聖人は「自体顕照(じたいけんしょう)」「桜梅桃李(おうばいとうり)」などを通して「多様性を生かす道」を説かれています。

これらは、あらゆる人種、民族、文化の共存、また自然環境との共生を教える哲理といえます。21世紀の「地球的共生の時代」を開くカギが、ここに示されていると思いますが、いかがでしょうか。

博士 仏教にはいろいろな譬えがありますが、法華経以前の譬喩は、差別を強調することに力点が置かれていたように思われます。

たとえば、小乗と大乗を信仰する人の違い、また、縁覚(えんがく)の人、声聞(しょうもん)の人、更に低い境涯の人との違い、というように。上にある人を大樹に譬え、下にある人を、つまらぬ草に譬えたりして、上下を明確に区別するのです。

しかし法華経においては、すべてが平等なものとされます。異なる万物が、すべて仏のものであり、仏の子である、と。

所長 今、会長が話された「桜梅桃李」の法理は非常に重要です。

世界の多くの人が、自分は桜であるにもかかわらず、その自分の尊さに気づかずに、何とか梅になろうとしています。どこの国にもいるでしょう。

人類の多くの嘆き、悲しみも、ここから生じているのではないでしょうか。

創立者 賢明かつ鋭いご指摘です。それが分からないのが、現代人の悲劇です。

心に宮殿を開く経典

ペトロシャン所長 池田会長は詩人であられる。お別れの言葉に、詩人に語りかける思いで、会長の詩を引かせていただきたい。それは会長が青年のころ、戸田第2代会長の法華経講義を受講した夜に書いた詩です。

「ああ、吾(わ)れ、法華経の深遠偉大なるに驚歎す。
人類を、真に救い得る道は、法華経に非(あら)ずや。
宇宙と、生命の根源を、覚悟せし法義。
全人類に、最高の人格と、幸福とを、必ずや得さしめんと、教示給いし根本原理。
ああ、吾れ、二十一歳なり。
人生を船出せしより、何を思索し、何を為し、何を吾が幸福の源泉と為せしや。
今日よりは、雄々しく進まん。
今日よりは、確固として生きなん」

法華経の真髄に触れた感動を、青年らしい言葉でつづっておられる。法華経は、我が心に宮殿を築くものであり、宇宙よりも、世界よりも力強いものであることを高らかにうたっておられる。

新しい人生にスタートする決意が伝わってきます。

私は、この詩を読んで、先生の生き方そのものに触れた思いがしました。心から感動しました。

池田先生、必ず長生きしてください。先生は全人類にとって必要な方なのですから。

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