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「法華経――平和と共生のメッセージ」展(スペイン)

 スペイン展

●マドリッド展

●レリダ展


 マドリッド展

スペインで2回目となる「法華経――平和と共生のメッセージ」展のマドリッド展が2012年2月17日、開幕した。

 同展を記念して、国立マドリード・コンプルテンセ大学教授のカルロス・ルビオ博士が講演した。博士は応用言語学の専門家で、日本の文学・宗教史にもくわしい。『新スペイン語辞典』(研究社)等を手がけ、スペイン語版『日蓮大聖人御書全集』の監修も務めている。
 講演で博士は、法華経は「共生と融合の思潮の源流となる教えが含まれた経典」であり「人類を照らす精神の灯台として世界に高くそびえ立つ経典」であるとしつつ、法華経が時代・地域を超えて民衆の心をとらえ続けてきた歴史に言及。「法華経は水に譬えられるのではないでしょうか。水があらゆる形の容器に適合して形を変え、接触する全ての物を浄化するように、法華経が現代人の心を浄化してくれると思うのです」等と語った。

鑑賞者からは「スペインの一般市民は、仏教については表面的な知識しかもっていません。ですから、仏教の基本的観念と歴史がわかる構成となっている本展の開催は、画期的なものです。各パネルの色も美しく、芸術的にも価値のある展示だと思います」(中学校教師)、「仏教に関心のない人に対しても大変わかりやすい内容になっています。法華経写本のレプリカを鑑賞し、非常に多くの言語に翻訳され、広範囲の地域に伝えられてきたことに驚きました」(会社重役)、「多くの市民に、西洋以外の他文化を知るチャンスを与えてくれています。異なる文化と宗教を知る機会を得られたことに感謝します」(公務員)などの声が寄せられた。


◆主催:東洋哲学研究所
◆後援:スペインSGI
◆会場:スペイン文化会館(マドリッド近郊)
◆開催日:2012年2月17日~3月10日

 


 

  レリダ展


概要

 「法華経――平和と共生のメッセージ」のレリダ展は、東洋哲学研究所が推進している創価学会「法華経写本シリーズ」(現在、9シリーズ11冊)、各国語法華経、世界の識者から池田SGI会長に贈られた法華経関連文物、法華経が人類に語り続けるメッセージを「法華経の七譬」を中心に紹介したパネル約50点などが展示された。「第4回カタルーニャ宗教会議」(ユネスコ・レリダ協会主催)の開幕行事ともなった。

◆主催:レリダ大学、東洋哲学研究所、ユネスコ・レリダ協会、ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所
◆後援:スペインSGI
◆会場:レリダ市公立図書館(カタルーニャ自治州)
◆開催日:2009年4月28日~5月16日

 


新聞報道から

(聖教新聞2009年5月22日付)


 スペイン・カタルーニャ州レリダの「カタルーニャ自治州政府レリダ公立図書館」で、「法華経――平和と共生のメッセージ」展が、4月28日から5月16日まで開催され、約5000人が鑑賞した。開幕式典には、カタルーニャ自治州政府議会文化担当のフェラン・レージャ議員をはじめ各界の来賓が、ユネスコ・レリダ協会のヘスス・サンス会長、東哲の川田洋一所長らとともに出席。池田SGI会長は祝福のメッセージを贈り、「文明間の対話」を進める上で法華経が果たし得る役割について述べた。
 スペインで初の「法華経展」は、本年6月に予定されている第4回カタルーニャ宗教会議の開幕行事として注目を集めた。
 同宗教会議は、本年12月にオーストラリアのメルボルンで開催される「世界宗教会議」のプレ行事。スペインSGIは、2004年にバルセロナで開催された世界宗教会議で議長団体を務めるなど、スペインにおける宗教間対話の推進に大きく貢献してきた。

開催地となったレリダは、紀元前200年ごろから栄えた街。長い歴史の中でキリスト教やイスラム教など多様な文化・宗教が共存する古都として知られている。会場となったカタルーニャ自治州政府のレリダ公立図書館(=写真)も、1842年に建てられた歴史的建造物である。

「法華経展」は、同図書館の展示ホールで開催され、このほど発刊された『大英図書館所蔵 梵文法華経写本(Or.2204)――写真版』をはじめ、創価学会が発刊を進めている写本シリーズ、世界の識者からSGI会長に贈られた「法華経写本文物」、法華経が人類に語り続けるメッセージを紹介したパネル52点などが展示された。

 開幕式典でSGI会長のメッセージが紹介されると、万雷の拍手が響き渡った。
その中でSGI会長は、東洋文明と西洋文明を結ぶ「法華経」の特質として、「万物共生の思想」「“永遠なるもの”の探究」「平和創出への行動」の3点を挙げ、法華経の精神とスペインの人々の豊かな心が深く共鳴していると強調。新たな文化創造へ期待を寄せた。

松岡幹夫研究員が展示の概要を解説した。カタルーニャ自治州政府議会文化担当のレージャ議員は、「レリダ市民に大きな触発を与え、その可能性を開花させる契機となる展示です」と開催の喜びを語った。
各界の代表から共感の声が寄せられた。

「西洋と東洋が選ぶべき道は、平和と共存であり、生命尊厳という普遍的な価値観に立てば、共に手を取り合うことができると実感しました」(ユネスコ・レリダ協会のヘスス・サンス会長)

「レリダ市は人口の約2割が外国人。展示を通して、重要な思想、価値観を伝えていただいたことに感謝します。今後の宗教間対話を推進していく上で、大きな励みとなります」(レリダ市公民権・移民協力担当のロッサ・バール市議会議員)




池田SGI会長のメッセージ

スペインで初となる「法華経――平和・共生のメッセージ」展が、レリダ市立図書館、レリダ大学、ユネスコ・レリダ協会との共催で開催されますことを心よりお慶び申し上げ、開催にご尽力を賜りました全ての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。

多くの文明が去来し、肥沃な精神的土壌を蓄えてきたカタルーニャの古都レリダ市において、東洋の精神的遺産である『法華経』の展示会が開催されますことに、私は深い意義を感じております。

2004年の国連総会演説において、サパテロ首相が「文明の同盟」を提唱されましたが、スペインのみならず欧州の中で文明間・宗教間対話の先駆的な役割を担われてきたカタルーニャの諸先生方と、東西の精神の対話ができますことは、文明間対話を通して共生の社会を希求する私どもにとりまして最大の喜びです。

『法華経』をはじめとする仏典は、二千数百年にわたり、東洋諸民族の精神的主柱となって、豊潤な文化の華を咲かせてきました。

今回の展示には、法華経写本を中心に、代表的な仏典の数々が展示されております。

仏教は、インドをはじめとする南アジア、西域(シルクロードに沿った中央アジア)、そして中国、韓半島、日本から、東南アジアの文化・文明の基調となり、その精神の結晶として多くの「仏典」が編纂され伝承されてきました。

東洋の諸民族は、仏典の中に釈尊以来の“宇宙生命との対話”を見出し、宇宙根源のリズムを「法」として表現し続けてきたのであります。

東洋的思考の特徴は、自己(内なる宇宙)と大宇宙(外なる宇宙)との対話、「宇宙生命」への融合、そして顕在化にあります。つまり、「内在」と「超越」の相即であります。

仏教において、釈尊は、広大なる自己自身の「内なる宇宙」を探求し、その究極において自己を超克し、「外なる宇宙」と一体化した「宇宙生命」そのものを、法(ダルマ)として覚知したのであります。

釈尊の覚者としての「智慧」と「慈悲」が民衆救済へと向かう時、仏教史を飾る多くの仏典が編纂されたのであります。その中で、特に『法華経』は、自ら、釈尊の悟達の法(ダルマ)の表出と体現を宣言した経典であります。『法華経』が東洋の諸民族に最も親しまれ、広く伝播し、人々の「魂」を救済してきたのも、この経典の内包する深遠な宗教性――宇宙生命との融合の境地とその平易なる表現法にありました。

私は、西洋文明を担う人々が法華経写本等として結実した「仏教の真髄」「東洋民族の魂」との深い次元での「精神対話」をされることを希求しております。

その意味において、若干、『法華経』の特質を「東洋文明と西洋文明の対話」に役立つ視点から、三点にわたって要約してみたいと思います。

第一に「万物共生の思想」、第二に「“永遠なるもの”の探求」、第三に「平和創出への行動」であります。


第一の「万物共生の思想」は、『法華経』の「方便品」をはじめとする前半部分に展開されております。

「方便品」には、仏がこの世に出現した目的、即ち「一大事因縁」が、衆生の「仏知見」を「開き」「示し」「悟らしめ」「仏道に入らしめる」こととして明かされております。ここに「仏知見」とは、宇宙生命に具わる光り輝く智慧のことであり、中国の天台は「仏性」と同義に解釈しております。

『法華経』では、二乗・女人等を代表に挙げて、全ての人々の生命内具の「仏知見」の内在とその顕在化を力説しております。ここに人類・民族・ジェンダー・職業・文化を問わず、全ての人々に「仏知見」が具わっており、その顕在化によって自他ともに幸福への道を開くことができるとする、人間の本質的「平等性」が示されるのであります。この仏知見(仏性)の内在こそ、仏教の「生命尊厳」の根拠なのであります。

ジェンダー・文化・人種・民族等の差異にかかわらず、否、その差異のゆえに、相互に尊敬しつつ、全ての人間がその内なる可能性を顕在化しつつ生を営む時、「共生・共存」の「地球文明」が浮かび上がるのであります。

「薬草喩品」では、「共生・共存」のあり方を、自然生態系にまで広げて「万物共生」の姿として描きあげております。

「三草二木」とは、種類や大きさの異なる草木(三草二木)が空一面の雲から降り注ぐ雨に潤されて、平等に潤いながらもそれぞれの特質に応じて生育するという譬喩であります。草木の生育する大地、空から降り注ぐ雨は、仏の説法として表される「宇宙生命」の恵みであり、万物生死の基盤であります。日本の日蓮は、草木の共生の姿を「桜梅桃李」と表現しております。草木として表示される自然生態系とともに、すべての衆生が栄えゆく姿が仏教の描く「地球文明」の方向性であります。


第二の「“永遠なるもの”の探求」は、『法華経』では、まず「宝塔品」における「宝塔」の出現から開始されております。

宝塔品では、大地から「宝塔」が涌現して、その塔の中から過去の仏である多宝如来が釈尊の説法が真実であることを讃えるのであります。

さらに、「従地涌出品」になると、この娑婆世界の下の虚空にいた六万恒河沙という膨大な数の地涌の菩薩が大地を割って出現すると説かれております。

そして「寿量品」では、この大菩薩の出現を契機として、弥勒菩薩の質問に応じる形で、釈尊の本地――“久遠の仏”、すなわち“永遠なる仏”が明かされるのであります。

日蓮は、阿仏房という弟子から、「宝塔」の意義について問われた時、それはあなた自身の生命であると答えています。つまり、一個の人間生命に内包された「宇宙生命」が輝ける宝塔として出現したのだとの意であります。そして天台は、大地の底、虚空のことを「法性の淵底」と表現しております。この万物が生死をおりなす現実世界の深奥の場――それは釈尊の覚知した「宇宙生命」それ自体であります。

“久遠の仏”は、“久遠の法(ダルマ)”と一体であり、宇宙根源のリズムそのものを生きる仏であります。

「寿量品」では、生死流転の現実世界を超越しつつも、現実世界へと衆生救済のために顕在化する“久遠の仏”の「永遠性」が明かされております。「娑婆世界説法教化」の文であります。“久遠の法”と一体の“久遠の仏”は、永遠なる救済仏であり、その「智慧」と「慈悲」の働きは、「未だ曽(かつ)て暫(しばら)くも癈」したことがないのであります。


第三の「平和創出への行動」をなす主体者を、『法華経』では「永遠なる宇宙生命」から涌現した地涌の菩薩や、「薬王品」以下の各品に説かれるさまざまな菩薩群として描きあげております。薬王は医学・保健の面を、妙音は音楽に象徴される芸術の開花を、普賢は学問・思想の貢献を、そして観世音は民衆の切なる現世的要望に耳を傾け、「無畏」の境地を与えゆく勇者として描かれております。

それぞれの菩薩的人格の中には、民衆救済への「慈悲の精神」がみなぎっており、それぞれの領域から「平和の文化」創出への使命を果たす誓いと行動が展開されております。その中でも、世界平和との関連性において注目すべきは、不軽菩薩であります。不軽菩薩は、「我は深く汝等を敬う」と言い、彼を迫害する人々を含めて、全ての衆生に内在する「仏性」を「担行礼拝」し、その顕在化を促し続けたのであります。あくまでも、対話・非暴力に徹する不軽菩薩の中に、平和を希求し行動する今日の「世界市民」の姿を見出せるのではないでしょうか。

このように『法華経』は、「仏性」の内在と顕在化という人間の本質的平等性に立脚する「共生・共存」の思想から、その淵源を“永遠なるもの”――「宇宙生命」としての“永遠の仏”“永遠の法”に求めつつ、さらに人類平和の創出のための「世界市民」像を菩薩群の活躍として指し示す経典であります。

万人に尊極の仏性が存するとの思想を基盤とした、人間への限りない信頼と尊敬が脈打つ『法華経』が、スペインの人々の豊かな心、他者に開かれた人間性と本展を通して深く共鳴し、新たな文化創造への貴重な機会となりますことをお祈りしております。


 

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