ホーム展示会「法華経――平和と共生のメッセージ」展香港・マカオ展

「法華経――平和・共生のメッセージ」展(香港・マカオ)



概要

「法華経――平和・共生のメッセージ」展は、香港中文大学でのシンポジウムを記念し、新たに企画・制作された展示であり、今後、各国での開催も検討されている。まず来年5月末まで香港・マカオの各地で順次開催される予定。

◆主催:香港中文大学中国哲学・文化研究センター、香港SGI、ロシア科学アカデミー東洋学研究所(サンクトペテルブルク支部)、東洋哲学研究所
◆会場:香港総合文化センター
◆開催日:2006年11月25~30日

◆会場:香港文化会館
◆開催日:2006年12月15~2007年1月31日

開幕式

「法華経――平和・共生のメッセージ」展(香港総合文化センター)

開幕式は11月25日、来賓ら約300人が列席して行われ、李剛寿・香港SGI理事長、川田所長があいさつ。香港中文大学の蘇基朗副学長補は「この展示は『伝統と現代』を結び、『中国と西洋』を融合させゆくという点で、本学の建学精神と全く一致します」と語った。

また饒宗頤・香港中文大学終身主任教授からのメッセージが紹介された。その中で饒教授は、文学性に富んだ仏教経典の特色を挙げ、「経典の写本は、数多くの無名の英雄による仕事の成果です。単に考古学的文物であるのみならず、数えきれない人々の智慧と信仰、そして希望の結集であり、その断片一つ一つに残された文字に、人間の生命力が表現されています」と述べ、これら「人類に残された貴重な文化遺産」を編集・出版する東洋哲学研究所と創価学会の努力を讃えつつ、今後ますます多くの人々に仏の智慧への理解を広げていただきたいと念願した。


「法華経――平和・共生のメッセージ」展のカタログ
(「法華経――平和・共生の
メッセージ」展のカタログ)

この後、来賓が展示を鑑賞。「ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部などが所蔵する貴重な梵語経典の写真」や「仏教写本の解説」「法華経七譬を描いた敦煌壁画などの写真パネル」「漢訳法華経の訳者・鳩摩羅什の紹介コーナー」その他を熱心に見学した。



創立者・池田大作SGI会長のメッセージ

「東洋哲学研究所はこれまで、ロシア科学アカデミー東洋学研究所との共催で、日本、オーストリア、ドイツにおいて、『法華経とシルクロード』展を開催して参りました。また、『仏教発祥の国』であるインドにおきましても、『法華経―世界の精神遺産』展を開催しております。

いずれの開催地におきましても、『法華経』が現代に伝える豊かなメッセージに、高い関心と評価が寄せられました。


このたび、日本に仏教を伝えて頂いた大恩の国・中国において、初めて『法華経』展が開催されることに、私は深い意義を感じるものであります。

今回の展示品の中にもありますが、創価学会では、東洋哲学研究所に編集を委託し、1997年より『法華経写本シリーズ』の出版に取り組んで参りました。第一期として、昨年までに6シリーズ8冊を発刊しており、本年度より第二期の事業をスタートさせました。

シリーズ第一期の第1冊は、貴国の旅順博物館が所蔵されている梵文法華経の写本を、『旅順博物館所蔵梵文法華経断簡―写真版及びローマ字版』として、発刊させていただきました。

この『旅順本』は、今日までに発見された写本の最古の部類に属し、鳩摩羅什が『法華経』の漢訳に用いたであろう原典に極めて近い写本とされています。

『経中の王』といわれる『法華経』は、仏教発祥の地インドから、『ロータス・ロード』(蓮華の道)でもあったシルクロードを通り、西域へ、東アジアへと広がっていきました。

5世紀の中国において『法華経』は、鳩摩羅什によって『妙法蓮華経』として訳されました。その後『法華経』は、巨大な中国文明圏を潤し、さらに韓・朝鮮半島を経て、日本へと伝えられました。

そして本年、いみじくも、鳩摩羅什が『妙法蓮華経』を完成させた西暦406年から、ちょうど1600年目にあたるこの時に、中国において、初めて『法華経』展が開催されますことは、私たちにとって貴国から受けた『大恩』に報いることであり、大いなる喜びと深い意義を感じる次第であります。

さて、この『旅順本』のローマ字化にご尽力頂いた法華経写本研究の第一人者である中国社会科学院教授の故・蒋忠新先生は、北京大学教授の季羨林先生、また私とともに発刊したてい談『東洋の智慧を語る』の中で、法華経の特質を見事に要約されました。

『「法華経」の中には、「平等の概念」「慈悲の精神」「統一思想」が包含され、深遠な智慧があふれています。これらによって、「法華経」は二千年余の長きにわたって広大な地域で多大な影響力をもってきました。そして今日もなお、「法華経」は多数の信仰者と多数の研究者を引き付けています』と。

6世紀、中国の天台は、『法華経』を迹門(前半)と本門(後半)に立て分け、それぞれの中心思想を抽出しております。迹門の中心は、すべての衆生の『仏性』の内在を説く『平等の概念』であり、本門の中核思想は、永遠なる仏『久遠の釈尊』の開顕であります。

まず、方便品には、諸仏がこの世に出現した目的、即ち『一大事因縁』が衆生の『仏知見』を『開き』『示し』『悟らしめ』『仏道に入らしめる』こととして明かされております。

ここにある『仏知見』とは、智慧に輝く『仏の大境涯』であり、天台は『仏性』と同義に解釈しております。ここに、人種、民族、ジェンダー、職業、文化を問わず、すべての人々に仏性(『仏知見』)が本来的に備わり、仏界として顕在化することによって成仏が可能であるとする人間存在の本質的『平等性』が示されております。すべての衆生の『仏性』の内在は、仏教の“生命尊厳”の根拠となります。

次いで、本門寿量品では、釈尊の本地『久遠の仏』が開顕され、この永遠なる仏のもとに、全宇宙に存在するすべての仏が、分身仏として統合されてきます。即ち“多様性の統一”であります。そして、神力品、嘱累品での付嘱の儀式が終わると、分身仏はそれぞれの根拠地、即ち民衆救済の活躍の場へと帰っていきます。この儀式は、“統一性から多様性”への展開を表象しております。

こうして、本門の『久遠の仏』の思想は、“多様性”と“統一性”のダイナミックな調和に基づく『統合の精神』の表象となっております。

さて、『久遠の仏』が菩薩の姿となって顕在化すると、地涌の菩薩をはじめ、文殊、普賢、弥勒、薬王、観音、妙音等として活躍します。それぞれの菩薩的人格のなかには、民衆救済を誓う“慈悲の精神”がみなぎっています。これらの菩薩群のなかで、世界平和との関連性において、今日特に注目すべきは『不軽菩薩』でありましょう。

非暴力に徹して、衆生の『仏性』を『担行礼拝』する姿のなかに、平和を希求する仏教者の誓願と実践が集約されているのであります。

このように『法華経』は、『仏性』の内在という人間の本質的『平等性』『尊厳性』に立脚しております。そして、『久遠の仏』と表現される永遠なる宇宙生命を基盤とする『統一性』と『多様性』のダイナミックな調和、共存の世界観を描きつつ、菩薩的人格による『慈悲の実践』を通して、非暴力、平和の実現を目指す経典であります。


世界は今、憎悪と報復による暴力性が激発し、偏見、差別による人種、民族、文化の間の“分断の嵐”が吹き荒れ、『生命の尊厳』がいとも簡単に踏みにじられる、まさに“末法の様相”を呈しております。

こうした時代にあって、『法華経』の発するメッセージこそ、危機に瀕する人類“種”そのものの救済を志向する“智慧の光”であり、未来を開く“希望の力”となるでありましょう。

私たちはともに手を携えて、『法華経』が人類に向けて発する“智慧”の光に浴しつつ、二十一世紀の人類の『平和』と『共生』への道を力強く開拓して参りたいと思います」



饒宗頤・香港中文大学終身主任教授のメッセージ

今回の、東洋哲学研究所、香港中文大学、ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部、および香港SGI共催の「法華経――平和・共生のメッセージ」展の開催につき、私は極めて意義深いものと思い、お慶び申し上げます。


法華経という経典はこれまで常に、仏教文化圏において重視されてきました。そして、その発掘された版の多さや翻訳された言語の多彩さから、どれほど重視されてきたかがわかろうというものです。

仏教はインドに起こりました。インド人には苦行という伝統思想があります。このインド人の苦行思想を他の民族に伝え、そこに根付かせようとするのは容易なことではありません。墨子に「自ら苦を楽となし、日夜自ら休むことなし」とありますが、漢の時代以降は、こうした思想が途絶えてしまったことを見れば、それが分かると思います。しかし一方で、仏教は人々の心に深く入り、また漢訳経典は韓国と日本に伝わって、仏教思想は両国文化の中にしっかりと根をおろしました。これは注目すべき事象といえましょう。


このことは、釈尊が苦行経験の中から見つけ出した、極端には走らないという中道思想と無関係ではないと思います。釈尊がきっぱりと苦行を放棄したのちに直面したのは、いかんともし難いカースト制度であり、その中で彼は衆生の平等を訴えたのです。こうした仏教思想は、極端に走ろうとするインド人の思考のロジックを止揚して、衆生の生命に対しいかにして苦を離れ楽を得させるかという課題を直視し、自在な宗教的救済に向けて前進を開始したのです。この思想は、特に法華経において最高の表現と実現を得ました。私は、以上のことこそが、法華経が多くの民族に愛され、広く重視されるに至った理由であると思います。


今回の展示物の多くは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部の貴重なコレクションです。様々な種類の文字・言語の写本を目にすることのできる貴重な機会と思います。仏教経典は、多くの言語に翻訳されてきましたが、どの言語を取ってみても、その過程は単純なものではありません。翻訳されるものと訳出されたものとの間には、その構造においても基本的な差異があり、どのようにその精神を伝えるかというのは、「信」の問題であり、また「美」の問題でもあります。これは歴史上の翻訳者たちが共同で取り組んできたテーマでありますが、達成が容易ではない難題でもあります。

仏典はもともと、サンスクリット文学の中で高い評価は与えられていませんでした。しかし、翻訳の過程でそれが変わっていきます。どのように読み応えのある訳文にし、また聴いても読んでも美しく、王侯貴族から一般庶民まで皆が理解でき、さらにこれを尊崇し、読経するに好まれる信仰の文とするか? そのためには、訳経僧の素朴な直訳の成果に加え、人文学者による潤色も経て、「文学性」に富んだ芸術作品に仕上げなければならなかったのです。


私たちが本日拝見する経典の写本は、数多くの無名の英雄による仕事の成果です。これらは単に考古学的文物であるにとどまらず、数え切れぬ人々の智慧と信仰、そして希望の結集であり、その断片一つ一つに残された文字に、人間の生命力が表現されていると感じられてなりません。

創価学会は、こうした貴重な文献を編集し、出版しています。これらは、学術研究への貢献のみならず、人類に残された貴重な文化遺産とも言えるでしょう。創価学会と東洋哲学研究所におかれましては、今後も努力を重ねられ、より多くの人びとが仏の智慧を理解できるよう、平和と共生のメッセージを発進してゆかれますよう希望いたします。

結びに、この法華経展の大成功をお祈りし、私の祝辞とさせていただきます。



香港文化会館の開幕式

孫立川博士(天地図書副編集長)のあいさつ

本日は、香港SG1香港文化会館において「法華経―平和・共生のメッセージ」展が開催されるに際し、この慶事にご招待をいただき、香港SGIに心から感謝申し上げます。


仏教経典の基本的内容は、主に古代インドの仏教原典から来ています。紀元前3世紀のインドのアショカ大王の時代から、仏教は北に向かい、中央アジア―今日のパキスタン西北部の古い国―ガンダーラに伝わりました。最も早い時代の伝わり方は、文字を書き写していく方法です。今回展示されている古い時代の法華経は、サンスクリット、パーリ語、ガンダーラ語、コータンサカ語、トカラ語、ソグド語、古ウイグル語、オイラート語、満州語、中国語、西夏語、チベット語、朝鮮語等の言語で伝えられました。これら法華経写本は、紀元前から現代に至る各種の写本、刻本と複製です。これらを通し法華経伝承の歴史を知ることができ、それはまた、仏教東伝の足跡をたどることでもあります。


仏教の東伝と仏教経典の写本には深いつながりがあります。経典の漢訳の歴史は、西漢の末年(紀元前2年)に遡ることができます。仏典漢訳の最盛期は、東晋十六国と南北朝の時代でした。最も成果を挙げた翻訳家は、言うまでもなく鳩摩羅什です。彼は、当時の亀茲に生まれたインド人です。数百人の弟子を率い、仏典の漢訳に取り組みました。後代の人々は、これを鳩摩羅什の訳経僧団と呼びました。数十年という時間を費やし、翻訳した経典は数百点に及びます。その中の「妙法蓮華経」は、翻訳されてから1600年を超えています。こうした長い歴史の中で、法華経は仏教の中でも最重要の経典となりました。そして21世紀の今日、SG1会長の池田大作先生が、法華経の本義をそのままに実践されています。そして、その現代的意義を最も適切に解説し、その一連の研究成果は、SGIが推進する人間革命の基礎的理論ともなっています。特に、法華経から「生命の尊重―生命は宇宙の宝である」、「人権宣旨―妙法に男女の差別は無い」、「民衆の力」、そして「一人ひとりを敬う」などの偉大な精神を導きだされています。


悠久の歴史の中で、南アジア・中央アジアから、東アジアに伝わった法華経は、戦火や自然災害、そして人為的な破壊の波をくぐりましたが、多くの人々が仏法宣揚のために、代々にわたって不滅の熱誠により法華経を護り伝えてきました。中には、尊い生命を捧げた人もいます。私たちが今日このように、紙に書かれて千数百年を経た法華経を目にすることができるのも、数えきれないほどの人々が、先人の意思を継ぎ、法華経を護ろうとした強き信仰心と不屈の精神の賜物でありましょう。この中には、私の親友である故・蒋忠新教授の心血も含まれ、こうした文物を目にすると、この先輩の在りし日が偲ばれてなりません。


SGIは長年にわたり、法華経の様々な版を収集し、整理し、複製してこられました。これは、SGIの会員が信奉する法華経に対する至誠の現れであり、人類の文化遺産を護るうえでの大きな貢献でもあります。今回展示される法華経の各種の貴重な版は、私たちに生き生きとした仏法の精神を示してくれるものです。私はここに、香港SGIの皆様に謹んでお祝い申し上げるとともに、香港市民と文化界の人々に貴重な機会を与えてくださったことに、感謝申し上げます。


岑逸飛氏(社会評論家)の新聞コラム(1)

香港日刊紙《香港経済日報》2006年12月18日付

「三車火宅」


展覧会のテーマは「法華経―平和・共生のメッセージ」。筆者は幸いにも、開幕式の主賓の一人として招かれ、挨拶させていただいた。その中で私は、法華経の「譬喩品」にある「三車火宅」の物語に触れ、数ある仏教経典の中での、この経の持つ特殊な意義について強調した。


法華経の正式名称は「妙法蓮華経」であり、釈尊が晩年に王舎城の霊鷲山で行なった説法を結集したものとされ、全7巻28品、6万9千余字に及ぶ大部の経典である。

「妙法」とは、釈尊の説法における無上の法であり、「蓮華」が譬えるのは、この法が蓮華の如く清浄で美しいということである。この経典の心は、釈尊の円融な教法ということで、機に応じて説かれた教えであり、「経中の王」と称されるのである。この経典が生まれた当初は、現在私たちが見るような、まとまった大部の経ではなかった。それは華厳経のように、徐々に形作られ、結集されて品を増やし、編纂されたものである。この経典は、漢字四文字で概括することができる。それは、「開権顕実」。「権」とは方便、「実」とは真実。つまり、「方便の門を開き、実相を示す」ことである。


方便の門を開くとは、たとえば「譬喩品」の「三車火宅」の物語がある。興趣は尽きず、大きな啓発の力を持っており、児童向けの物語としても、豊かな意義を秘めているといえるだろう。その物語を見てみよう。ある富豪がおり、豪邸に住んでいた。その豪邸がある日突然、大火に見舞われる。火の勢いは激しい。家には富豪の30数人の子供たちがいたが、遊ぶのに夢中で逃げようとはしない。火の怖さを知らないのである。富豪は機転を利かせ、子供たちに「門の外に羊の車、鹿の車、牛の車があるよ」とウソを言った。これでようやく、子供たちは火の海から逃れることができたのである。


この物語には、もちろん続きがある。だが、ここまでのところで、徐々に人々を善導してゆく巧みさが見てとれるのではないだろうか。



岑逸飛氏(社会評論家)の新聞コラム(2)

香港日刊紙《香港経済日報》2006年12月19日付

「平和と共生」


法華経の中の故事―「三車火宅」。なぜ「火宅」なのか? それは、人生の本質が苦であり、火に焼かれるようなものだからである。法華経には「三界は安きこと無し、猶お火宅の如し」とある。「三界」とは、欲界・色界・無色界である。欲界は物質への執着と愛欲であり、色界は愛欲は離れても、まだ物欲が存在する。無色界は精神活動が残る状態であるが、まだ苦海を脱することはできない。


火宅にいる人間は、その苦しみを自覚することができない。その人々を火の海から助け出さなければならない。これは、衆生を覚醒させようとの寓意である。欲望のなすがままに任せるのではなく、悪に染まった場を速やかに離れ、自分自身の羊、鹿、そして牛の車を探し出せ、と。この「三車」は、衆生それぞれの異なる境涯を表わしている。「三車」はすなわち三乗―声聞乗と縁覚乗、菩薩乗の象徴である。「乗」とは車のことだ。声聞は羊の車に乗る。これは度量の最も小さな者が乗る車であり、縁覚乗には鹿の車が、菩薩乗には牛の車が与えられる。


この火宅とは、六道輪廻の譬喩である。衆生を火宅から逃れさせた後、そこには羊の車も、鹿の車も、あるいは牛の車もなかった。あるのはただ、大白牛車だけであった。が、大白牛車は他の三種の車より、さらに乗り心地がよく楽しいものなのである。これは、人々が皆満足できる人生最高の幸福境涯を表している。仏教学ではこれを「開三顕一」と言う。「一」とは一仏乗。これがすなわち大白牛車である。


法華経全体を見ると、その前半は、宇宙の森羅万象が一つの法に帰することを説いている。また後半では、仏の寿命は久遠にわたり、無始無終であり、過去と未来は一つであると語っている。その弘教のための技巧は研ぎすまされ、内容はドラマチックで文学性と映像性に富み、イマジネーション溢れる童話の世界のようでもある。


今回のSGIによる「法華経写本展」は、「法華経―平和・共生のメッセージ」をテーマとしている。法華経に込められている生命の尊厳と平等という教え―これがすでに平和のメッセージではなかろうか。共生という点については、まさに池田大作氏が指摘しているように、この経典は貴重な生命の讃歌であり、人間、そして全ての有情非情の生命の、豊かで多彩な姿を謳い上げたものである。一つひとつの生命は皆ひとしく生まれながらの喜びを感じ、「万物共生の大地」の上に、調和を保ちながらすくすくと成長してゆけるものなのである、と。



香港日刊紙《大公報》2006年12月19日付

創価学会が法華経写本展開催

その平和と共生のメッセージを探る


【本紙発】多くの貴重な法華経の写真を展示する「法華経―平和と共生のメッセージ」展が現在、香港国際創価学会の香港文化会館で開催されている。これら貴重な資料の多くは、通常、世界各地の博物館や図書館で保管されているものだが、その中の一部が初めて世界に公開されたものである。


この展覧会は、香港国際創価学会と東洋哲学研究所、香港中文大学哲学学部の中国哲学・文化研究センター、およびロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部の共催によるもの。


国際創価学会と東洋哲学研究所は、多くのサンスクリットの法華経写本のうち、特に貴重なものを、世界の学者や仏教研究者に提供し、研究の参考に供している。

印度に起こった仏教は、多様な経典を生みだしているが、その中でも法華経は特に重視されてきた。


創価学会と東洋哲学研究所は、世界各地でこの「法華経写本シリーズ」の展覧会を開いているが、これらを通し、歴史を振り返り、法華経が現代社会に伝える平和と共生のメッセージをあらためて考えてもらえる機会になればと期待している。


多くの仏典の中でも法華経は、サンスクリットの写本が最も多く、またその発見された地点も最多で、その地理的範囲も最も広い経典である。また、言語的な構造や文章の構成などの面でも、様々な異なるバージョンがあり複雑である。さらに、写本された時代も最も長いものとなっている。これらを総合的に考えて分析すると、一つの明確な結論が見えてくる。すなわち、法華経はインド仏教史上において、最も広く、最も長く影響力を持ち続けた経典なのである。こうした意味で、仏教学的にも、大いに研究に値する仏典であることがわかる。



マカオ・盧廉若公園の開幕式

概要

香港で好評を博した「法華経――平和・共生のメッセージ」展が、「シルクロードに咲く蓮華」展として、マカオの盧廉若公園で開かれた。

6月22日の開幕式では李莱徳マカオSGI理事長のあいさつの後、マカオ特別行政区民政総署管理委員会の譚偉文主席が「経済発展を続けるマカオ、前途を模索するマカオの人々にとって、この“法華経展”は大きな啓発になります」と祝辞を寄せた。

東洋哲学研究所の創立者である池田SGI会長、饒宗頤香港中文大学終身主任教授のメッセージが代読された。

見学した来賓は「貴重な品々を目にする機会を与えてくれたSGIに感謝」(全国人民代表大会の崔世平代表)、「法華経の精神は、今日の世界に非常に重要なものであると痛感しました」(中国中央政府駐マカオ連絡弁公室宣伝文化部の劉暁航部長)と語った。

式典の様子は、日刊紙「マカオ日報」等で報じられた。

◆主催:マカオ中華文化交流協会、東洋哲学研究所、ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク東洋学研究所、マカオSGI
◆会場:盧廉若公園
◆開催日: 2007年6月22日~29日

香港展(2度目)



 「法華経――平和と共生のメッセージ」展の香港展の開幕式が5月3日、香港SGI文化会館で挙行された(5月25日まで。主催=東洋哲学研究所、香港SGI)。

 香港での開催は、2006年11月以来2度目。これは現在(2015年5月)、世界12カ国・地域を巡回し、約40万人が観賞するまでに広がった“法華経展”のスタートとなった場所である。
 今回の“法華経展”は、第1回開催時より、東洋哲学研究所による研究の進展から、質量共に大幅に拡充されたもの。会場内の6つのエリアに仏教伝播の歴史を詳細に紹介したパネルや80点を越える仏教関連文物が展示。ロシア科学アカデミー東洋古文書研究所所蔵の写本(複製)をはじめ、仏教芸術の宝庫である敦煌莫高窟の壁画(パネル展示)などが公開されている。

 また、中国の国学大師と讃えられ、香港中文大学の終身主任教授を務める饒宗頤博士による「如蓮華在水」と「慧光照無量寿命無数劫」の書等も特別出品されている。饒宗頤博士は、“法華経展”に万感の期待を寄せ、同展の持つ意義について、次のように語っている。
 
 「経典の写本は、数多くの無名の英雄による仕事の成果です。これらは考古学的文物であるにとどまらず、数え切れぬ人々の智慧と信仰、そして希望の結集であり、その断片一つ一つに残された文字に、人間の生命力が表現されていると感じられてなりません」
 「より多くの人々が仏の智慧を理解できるよう、平和と共生のメッセージを発信していかれますよう希望いたします」

 開幕式典には、饒宗頤博士をはじめ、香港特別行政区政府民政事務局の許暁暉副局長、香港大学饒宗頤学術館の李焯芬館長、東洋哲学研究所の川田洋一所長、香港SGIの呉楚煜理事長らが出席。盛大にテープカットが行われた。

 式典では、許暁暉副局長が「この法華経展を通して仏教学の研究と交流が進み、香港社会の調和と各家庭の和楽が促進されるよう望みます」と祝福。
 李焯芬館長は「法華経は何千㌔もの距離を超えて、広まりました。仏性を説いたことにより、衆生を救済したのです。法華経に内在する平和と共生のメッセージは、人と人、国と国の関係においても、有用な教えです。展示会では、仏教が各地に広まった歴史、各地での宗教的、文化的交流が示され、貴重な研究成果を提供してくださっています。今回の展示を企画してくださったことに、心より感謝いたします」と述べた。
 主催者を代表して、川田所長、呉理事長が挨拶した。

 また同日、展示会を記念する講演会が行われ、川田所長(「創価学会インタナショナルと法華経」)と松森研究員(「中国における法華経の受容――唐代の法華経信仰」)が登壇した。

 開幕式典の模様は、香港の中国語有力紙「大公報」(5月4日付)で報道。期間中、1万6000人が観賞に訪れた。

 2015年5月4日付「大公報」
 

 


 なお、開幕式に出席した来賓からは、以下のような感想が寄せられた。

<李美賢(敦煌研究家)>
 鳩摩羅什訳の法華経訳本の全体の展示は、とても貴重なものです。また、一つの経典の異なる写本が、絵画・テキスト・画像など様々なスタイルで展示されています。そこには、様々な民族の文字や筆跡があり、仏教が多くの民族・文化と融合していった様子を示しており、視野が広がる思いです。これまで、一つの経典をテーマとする展示会は多くありませんでした。「法華経」の由来・伝播の状況・翻訳・その芸術などを一つにまとめて展示してくださり、法華経を総合的に把握することができました。

<韋立新(広東外語外貿大学 教授)>
 この法華経展は、とても重要な意義を有していると思います。と言いますのは、私自身も、法華経を含め仏教の精神をより多くの人々に伝えたいと願っているからです。そしてこの法華経展の目的も同様に、より多くの市民に法華経の思想・精神を伝えたいということではないでしょうか。その意味では、私自身、この法華経展の大きな意義を強く感じています。
 
◆主催:東洋哲学研究所、香港SGI
協賛香港大学饒宗頤学術館
◆会場:香港SGI文化会館
◆開催日: 2015年5月3日~25日


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