ホーム学術交流2014年(平成26年)

マレーシア イスラーム理解研究所ニック・ムスタファ事務総長が講演


◆主催:東洋哲学研究所

◆会場:ヴィラフォンテーヌ汐留(東京・港区)

◆開催日:2014年6月3日

 

 東洋哲学研究所は2014年6月3日、マレーシア・イスラーム理解研究所ニック・ムスタファ事務総長の講演会を開催した。


 同研究所は、 1992年にマハティール首相(当時)によって創立された学術機関である。現在、アブドゥラ・バダウィ前首相が理事長を務め、イスラームの理解促進と宗教間・文明間対話を目的として、さまざな活動を推進している。

講師のニック・ムスタファ事務総長は、マレーシア国際イスラーム大学院経済・経営学部長、オックスフォード・イスラーム研究センター客員研究員などを歴任。経済の思想・体系、経済の未来と経営などの分野での著作を執筆する経済学者である。
 「経済成長への文明論的アプローチ:イスラームの視座」をテーマに行われた講演では、現在の世界経済が直面する格差、貧困、失業等の諸問題に言及。こうした問題を解決する方途として、「人間は、経済的なものを追い求めるのでなく、精神性を大切にしなければなりません。精神性とは、人間に備わる善なる部分です。こうした精神性は、イスラームだけでなく、仏教にもあるものだと思います。人間は、個人では成り立ちません。個人主義は、人間を身勝手なものにしていくのです。人間は、他者との関わりの中で、社会性を持ち、個人主義を乗り越えていくのです」と強調した。

さらに、イスラームの思想・哲学を踏まえて、「私たちは、人類として力を合わせ、慈悲の心を持っていかなければなりません。文明とは、憎しみの上には、決して成り立たないものだと思います。そして、イスラーム、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、道教など、どの宗教であろうとも、経済格差を解消するために協力していくべきなのです」と訴えた。

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